やる事は決まった、なら後は実行するだけ
寝落ちて居ました。
遅くなり申し訳ない。
「何か、なんとかする方法があるなら、早めにやって欲しいニャァ」
あ、バスト、そう言えば居たんだった。見ると、彼女はメッチャ腰の引けた状態で、しかし両手だけ邪神の方へと向けて突き出した格好で、何かプルプルしてる。
「そ、そろそろ限界ニャァ」
何がよ。
『【推測】多分、アレが維持している【凪の空間】の事かと』
「あぁ!」
そう言えば、そんな能力か!! って事は、邪神が、敵対的行動を取ってないのは、地味にコイツのおかげかも知れないってぇ事だったのか!?
今まで、隔離区画で食っちゃ寝しかしてなかったから、ちょっと『コイツ、何で居るんだろう』とか思ってたが、ここに来て、ちょっと見直したわ!!
「ヒドイのニャ、慕ってる女の子を役立たず呼ばわりとか、キズついたニャ、慰謝料を要求するニャ! 具体的にはスイーツと【プラーナ】ニャ、あと、愛も欲しいニャ!! 顎下から撫でて、顔横を優しくくすぐって、耳の根元をコリコリして欲しいニャ!! でも、お尻と尻尾は勘弁ニャ。でもどうしてもって言うのニャら……」
「良し、黙れ!」
要求が細かい上に多いっちゅうの!! 上がった株がストップ安にまで暴落したわ!!
と言うか、お前の言う愛って、必要以上に肉欲って言うんじゃねぇか!?
いや、猫だったら、普通に喜ぶ場所ではあるんだけんどもさ! 少なくともゴモリーの様に、その目に『色欲』は出ていなかったけれども!!
兎に角、これで時間制限も出来ちまったみたいだ。どれ程、バストの能力がどれ程効果を現してるのかは分からんけど、今、能力を解かれた後、同じ様に一切の害意なく行動してくれるとか思う程、脳内お花畑じゃぁない。
ましてや、全く害意が無い状態でも、無駄にこっちに被害を及ぼすであろう相手だ。それに害意が乗っかった時に、どれ程の悪意が撒き散らされるか分からんからな!!
俺は【プラーナ】を循環加速させ、純化精製も行う。【プラーナ】が【プラーナオリジン】へと精製度を増し、それを濃密に凝縮させながら、更に循環加速させる。濃密に濃密に濃密に濃密に濃密に濃密に濃密に濃密に濃密に濃密に。循環循環循環循環循環循環循環循環循環循環。加速加速加速加速加速加速加速加速加速加速。
【闘神化】の感覚は掴んでいる。ただ、その感覚のままじゃぁ力が広範囲に広がり過ぎて、そのまま発動しちまえば、自分の力で、この領館を潰しちまう事に成る。
邪神をどうにかする為、領館を潰し、そこに働いてる人間に被害を出しちまったら本末転倒も良い所だ。
もしかしたら、英雄とか言う輩や、為政者と言う立場からだとするなら、『最小の犠牲で結果を出せる』と言うのは“正しい”事なのかもしれんが、俺は御免だ。そもそも、それを『良し』とするなら、最初っから“封印”ってぇ手段を取ってるっちゅうの!!
『犠牲者は出さない』綺麗事ではあるが、その程度の理想も掲げられず、そしてそれに対しての努力もせずに、領主なんざやってられるかってぇの!!!!




