表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
866/1157

神の考えなぞ分かろう筈もない

 何故? とは言わない。そもそも、魔族が俺の事を狙ってるってぇ時点で、その上位存在である邪神が俺の事を気にしないなんて話は無いだろう。

 何せ、そもそも邪神がその嗜好を気に入ったからこそ、その魔族……の元に成った人物に【加護】を与えて、魔族に成って居る訳だからな。

 なら、その逆に魔族の嗜好と邪神の嗜好が合致しないなんて事も無いだろうさ。


 ただ、だとしても、邪神そのものがここに顕現するってのは予想外ではある。多分、邪神と言う存在が顕現する為には相当量の【オド】が必要だろうし、実際、【邪神崇拝者】は、その為の【オド】を集める為に、結構な生贄を用意していた訳だし。


 もっとも、それ以上に顕現していた邪神は周囲の【オド】を凶悪な程に『吸収』、と言うよりも『強奪』と言って良いほどに奪っていた。


 実際、ラミアーが【念動障壁(サイコバリアー)】を展開してくれて無ければ結構な被害が出た筈だ。バストとラミアーやセフィ、ファティマと俺、そしてミカとバラキは抵抗出来て居るが、イブはギリギリ出来るかどうか位だとは思うし、ヘンリエッタ王女とマリエルに関しては、抵抗する事自体が厳しかっただろう。


 そして抵抗できなければ、今迄の邪神の贄に成った者達と同様に、その骸すら、風化し、邪神の餌と成って居た筈だ。


「確かに『まだまだ』だな、俺は」


 バストが気が付かなければ、いや、恐らくセフィ達も気が付いていたんだろうけど、少なくとも彼女達が気付いて、対抗手段を講じてくれて居なければ、下手すりゃこの領地に生きとし生ける者全てが、犠牲に成って居た可能性が高い。

 てか、邪神がこんなに唐突に顕現できるなんて思わなかったわ。


 いや、実際問題として、今ここに顕現している時点で、“ソレ”は可能な訳だから、これに関しては俺の想像力が劣って居たってぇ事なんだけどさ。


 ただ、言わせて欲しい。


「こんなん、想像できるか!!」

『【懊悩】それ程までに、マイマスターが魅力的だと言う事でしょう』

「うわぁ嬉しくない」


 いや、マジで。いったい、どんな目的でこんな所にまで顕現したのかは分からないが、ソレを成す価値が、俺には有ると判断したってぇ事なんだろうさ。

 何せ、ここに居る面子は、完全に保護されているか、抵抗出来て居るものだけな訳だ。つまり、顕現の為の【オド】は自らの持ち出しってぇ事に成る訳だからな。

 つまりは、この邪神は自分が顕現する為【オド】を自ら出しているってぇ事に成る。

 【オド】自体でその身体を構成し、維持する関係上、莫大な【オド】を使用しているのは確かで、その上で維持しているって事まで考えると、その消費を()()()()()()()と考えられる程度には、俺とじかに対面する事に価値を感じてるってぇ事な訳だ。


 邪神の、その、作られた笑みから、感情や思考を読み取る事は出来ない。いったい、何が目的で俺の目の前に顕現したんだか。


 それはそれとして、光の女神はバストに対して『ぶちのめせ』なんて【神託】をヘンリエッタ王女に送るより、もっと送っとかなきゃいかん【神託】が有っただろうが!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ