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違和感程度の話だけれども

 遅くなりました。

 申し訳ない。

「やった! やった! やった、やった!!!!」

 相当に嬉しいのか、ネフェル王女が歓喜を爆発させている。

 まぁ、(ミカ)達のサポートが有ったとは言え、ほぼほぼ単独での角熊(オーガ)討伐なんて、普通の人には無理だからな。

 修行に明け暮れていた成果の1つと言っても良いだろうさね。


「お疲れ様、ネフェル王女。解体は俺達がやっておくから、休みなね」

「はい! 有難う御座います!! 師父!!」


 流石に精神的にも肉体的にも疲れたのか、ネフェル王女も素直にキャンピングカーに引っ込んだ。取り敢えず、ティネッツエちゃんとヘンリエッタ王女に付き添いを頼んで、俺達は血抜きと解体。


 6mも有るし、重量もトン越えなんで、その辺の木に吊るしても持たないから、太めの木と木の間に、角熊(ほんにん)が持ってた丸太を固定して、それに足を引っ掛ける。

 全長は6m程ではあるけど、逆さ吊りで前足がダランと垂れて居る事も有って、それらを含めた長さで言えば、優に10m近い。


 なのでむしろ穴を掘って体の半分は穴の中。穴掘り大好きなガブリこそ居ないが、他の兄妹も穴掘りは得意ではあるんで、嬉々として掘ってくれた。血が溜まるってぇ事も考えて、穴自体はちょっと深め。


 血抜きが済んだら、腹を掻っ捌き内臓を出してから、イブに頼んで血を洗い流した上で、急速冷凍からの解凍。

 その後、皮を剥いで肉を切り分ける。その上で、更に冷凍しての荷物の空きスペースに毛皮と肉をねじ込んでおく。

 こう言う時、異世界チート御用達のインベントリとか無限収納とかが欲しいよね。

 内臓の一部は犬達(スタッフ)がおいしく頂き、残りと骨はさっき掘った穴へIN。


 取り敢えず、この街道の平和は護られた!! 有り難うネフェル王女!!


 ******


 角熊(オーガ)を倒した後の道程では、角熊程の大物は出て来なかったが、それでも角猿(ゴブリン)やら角兎(アルミラージ)程度の小物はチラホラと出て来た。


「……魔物との遭遇って、こんなに多い物なんかね?」


 少なくとも、以前街道を使用した時には、これほど多くは無かったような気がする。まぁ俺等、普段は森の中突っ切る事が多いんで、遭遇率は街道を行くよりは多いんだがね。

 今回もやっぱり森の中突っ切って王都に行ったし。もうちょっと、行き来の回数が増えると、けもの道が出来るんじゃないかな?


 それはそれとして、普通に街道を通った場合には、どの程度の遭遇率かなんて事は分からんので、正確な所は言えないんだが、少なくとも、大森林内の街道を警備してる警備の兵(オスロー)達からの報告を聞く限りでは、こんなに遭遇する様な事は聞いて居ない。ましてや、王都近くの方が魔物の生息数は少ない筈なんだ。


 普段から俺と行動を共にしているイブ達も首を傾げているし、そもそも、それ程旅をしてはいないヘンリエッタ王女とマリエルも、そんな事、分かろう筈もない。

 だが、そんな俺の質問に、ネフェル王女が答えてくれた。


「私が旅をしていた時は、これ程頻繁に魔物と遭遇はしませんでしたね。むしろ、盗賊やら山賊の方が多かった印象です」


 色んな所を武者修行していたネフェル王女の話だ、やはり、今の遭遇率は多いっぽい。まぁ、だからと言って、その原因を俺達が探るってぇ訳にも行かないんだが。ただでさえ唐突な呼び出しで、領地から出て来てるんだし。


 まぁ、オーサキ領に戻ったら、ギルドの方に話を通しておこうかね。

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