いや、本題って
「さて、本題なんだが」
「今まで、本題じゃ無かったんですか」
いや、確かにちょっとした相談程度だったけんどもさ。
「実は海外から留学生が……」
「すいません帰って良いですか? てか、なんで学院の事もまともに決まってないのに、留学生は決まってるんですか!?」
いや一寸待てや! 学院も出来て無いってのに、何で留学生なんて物が決まってるんだよ!!
しかも、この流れって、俺に留学生のホストやれって言ってる様なものじゃねぇか!!
最初に『通わないか』って聞くまでもなく決定事項だったって事か!?
「いや、学院の事は既に決定事項ではあるのだ。決定事項ではあるのが……ただ、少し意見調整が難航しているだけなのだよ」
「いえ、それは相談されてる時点でそうだとは思いますけど、てか、むしろ留学生ってのが決まって居るって時点で疑問が生まれるんですが?」
主に、具体的な話が進んでいる訳でもないのに、留学生制度って事だけ話が進んでるって時点でよぉ。こういった留学生って、学院の評価を聞いて、『留学してみたいな』って感じでオファー掛けるもんじゃねぇの!?
そもそも留学って事は、向こうでは学生をやってるって事なのか!? てか、この世界で、学院だとか学園だとかってぇ話、今回初めて聞いたんだが、他にってあるのか!?
「いや、まだ外には出て居なかった筈なんだが、オファーだけ来て居ってな」
まぁ、口止めはしていたとしても、国内の貴族には話を通して居るだろうからなぁ。そう言った所から『ここだけの話』って事で流れる場合も有るだろうし、特にそう言った貴族相手にしてる商人なんかは、最新の裏話を“聞く”のもある意味重要な仕事ではあるからなぁ。その上で、他の国の貴人に話題を提供するのも、商売の一部な面も有るし、流出するのはある意味しょうがないんだろうけど……
「うむ、皇国からなのだが」
「あそこですか」
「うむ、貴様も知って居る……」
「皇女様ですか」
「うむ、大変熱烈にオファーがな」
そう言えば、皇国の始祖のマンガは、出来上がって送ったんだったか。俺は総編集として、目ぇ通しただけだけんども。まぁ、面白かった。ってか、また来るのか? あの皇女さんが。
一寸、視線が遠くなる。皇国の始祖が俺と同じ【プラーナ使い】の可能性が高いから、皇女さんに目ぇ付けられてたんだよなぁ。
あれ? そうすると……
「もしかして、俺にホストを希望してるとか?」
よし、ちょっと俺と視線を合わせて貰おうか? 国王陛下さんよ。




