選択肢
今日はここ迄で力尽きました。
遅くなって申し訳ない上、短くて申し訳ない。
この世界、自分の行く末を自分で決められるってぇ事は少ない。基本的に、親の後を継ぐか、そうでなければ、身近な職業に就くかだからだ。
特に貴族なんてのは、長子が親の後を継ぐなんてのは当たり前の事だとされるし、次男以降なんて、そんな長子のサポートをする為の部下に成るか、それとも領地を分けて貰って代官代わりに成るか。もしくは親の伝手を使って公務員に成るか。何にせよ、自分で『これだ!!』ってぇ、職を決められるなんて事は無い。
そう言う意味では、職人や商人なんかは。自分で選択して弟子入りをしたり出来る分、なんぼかマシなのかもしれん。
もっとも、こっちはこっちで、各親が“知り合い”に託すってぇ事も多いんで、決して絶対的に自由ってぇ訳じゃぁないんだけんどもさ。
実際、雇う側にしたって、全くどこの骨かも分からん輩よりは、知り合いの子供の方が、まだ多少なり信用が出来るだろう。もしもの時にはその親の方に言えば良い訳だし。
その他に、庶民の方は冒険者に成るってぇ選択肢も有る。と言っても、コレはコレで、他に選択肢が無く、『どうしようも無くて』、か、小さい頃から準冒険者に成って居た事が有るんで、その流れでか……どっちにしても、どうしても冒険者に成りたかったってぇ輩はマイノリティーって事に成る。
そう言や、俺も食わせる為に仕方なく冒険者に成ったんだったか。
ただ、そう言った中でも、読み書き計算が出来れば、『自分で選択する』幅が増えるのは確かなんだよね。
これに関しちゃ、庶民も貴族も同じだとは思ってる。もっとも、貴族的には『冒険者に成る』ってぇ選択肢は『無し』なんだろうとは思うんだけんどもさ。




