ふっ、やるじゃない
ここまでしか書き進められませんでした。
遅くなり申し訳ない。
再変身を果たしたアポリオンの姿は、直立歩行するイナゴと言った感じだが、頭部は大イナゴの腹を食い破って小さなイナゴが噴出してる様なデザインだし、四本に増えた腕はそれぞれ、腕のサイズのイナゴがくっついてる様な感じで、長さも長いまま隠そうともしてない。下半身ってか、脚なんかはそのままイナゴの後ろ脚が大きく成った様な感じのソレで、背中には二対四枚の翅が生えている。
これ、空も飛べるよってぇ自己主張かね? さっきまでだと飛べなかった様だし。
ただ、先程までと同じ様位膂力が有るってんなら、腕が四本に増えたのは、単純に他数が増えたってぇ事でもあるんで、結構厄介かも知れん。
ステータスが上がっていたならさらに倍率ドン。俺の今のステータス的には、さっきの状態のアポリオンよりちょっと上って程度。勿論【プラーナ】は今の状態でも循環、濃縮、精製、純化をしているから、じわりじわりとだが俺の能力値を底上げしては居る。
だが、この変身で、著しくステータスが上がっているとするなら、もしかしたら拙いかも知れんわ。
そんな事を考えてると、一瞬、アポリオンの姿がブレ、直後に俺の眼前迄迫って来ていた。
「なっ!!」
ゾワリと言う寒気を感じ、反射的に顔面を護る様にファティマを構える。
ドッゴッッッッ!!!!
ガードした顔とは別に、腹部に衝撃を受け、真後ろに飛ばされる。その時に何本かの木もなぎ倒していたが、それよりも目がチカチカとし、軽くえずく。
呼吸がっ!!
ヤバい、意識して無かった無防備な場所に良いのを喰らった!
息をしようとすると吐きそうになる。それでも浅く短い呼吸を繰り返し、何とか呼吸を整える。見れば、アポリオンは首をゴキリと鳴らす様に捻ると、静かに俺の方に向かって歩き出す。
そうだったわ、腕の数が二倍に成ってるんだから、片手で狙える場所も二ヶ所に成ってて当たり前だった。
単純ゆえに頭から抜けてた。てか、一瞬で目の前に来られて、もう一本の手が死角からに成ってて気が付かなかったわ。
何と言うか、認識はしてたが実感が無かった。
【プラーナ】を活性化させ、今受けたダメージを回復する。
アポリオンの方も、俺がこれ程ダメージを負った事が不思議だったのか、自身の手ってか、手に当たる部分になっているイナゴヘッドを見る。
どれ程の威力か、自分でも理解できて居なかったんかい!!
あぁ、あれか、どれ程の威力が有るのか分からなかったから、俺がダメージ負ってる演技で引っ掛けようとしてるのか? とか思ったから、慎重に歩みを進めてたとか、そう言う事なんかね?
まぁ、アポリオンの方も、ここまで対等に戦える相手なんざ、早々居なかった訳だろうし、新技に関しては検証するまで確信が持てなかった感じか?




