まぁ厄介事だろうな、と
寝落ちして、こんな時間に成ってしまいました。
遅くなって申し訳ない。
兎に角、『神聖オーサキ教会』は普通の『光教会』ならって事で許可を出した。いや、だから、自分を讃える教会を建てるって、どんだけ自分大好きなんよって話だろうよ。
「これは信仰の問題なのです! 為政者が信仰を抑圧すると言うのはどうかと思うのです!!」
「王女さんお国だと、むしろ為政者が信仰に生きてるんだろうけどさ、だとしてもここは国外で、しかも信仰されそうな側が止めてくれと言ってるんだから、止めてくれね? マジで」
担ぎ上げられそうになってる本人が言ってるんだから、忖度して欲しい所なんですけどねぇ。
最後までヘンリエッタ王女は食い下がったが、ファティマに耳打ちされた後、大人しく引き下がってくれた。何か、『非公式』だとか『隠れ蓑』だとか、不穏な単語が漏れ聞こえて来たけど……大丈夫だよな?
んで、去り際、ヘンリエッタ王女は、意味深な感じで会釈をしてたけど、クッ殺さんの方からは『何故ヘンリエッタ様の望みを叶えないのだ!』的な視線を寄こされてたけんどもさ。
「で、ヘンリエッタ王女には何を言ったのさ」
『【内緒】乙女の秘密ですので』
“乙女の”とか付けとけば、こっちが深入りしないとでも思ってるんか? いやまぁ、実際、深入りは出来んのだけども。
その辺り突いても藪から蛇って事に成りそうでもあるし、ファティマが思わせぶりな事言う時は、後で分かる事が多いし、彼女が俺達にとって全く益に成らない事を企んだりはしないだろうから、今は流しとくけどさ。
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街の様子は今までと同じ様な感じで、流入者自体は増えている。ただ、その中に含まれる聖王国ってか、小国群からの難民の数が減ってきた。
まぁ、父王さんが、色々と頑張って、自国の貴族を纏め、不埒な事をやってる輩を粛清している結果が出て来たんだろう。
あの馬鹿騎士、どう成ったんじゃろね? 一応、家の国の方に謝罪と賠償金が支払われた様な事をルールールー経由で聞いてはいる。って事は、アレの上司的な上級騎士との接触も出来たんだと思うけどさ。
まぁ、どっちにしろ、終わった話ではあるから、アレの処遇がどう成ったかには、あんまり興味も湧かんのだけんども。
それはそれとして、こう、人の移動が多いと、どれが不穏分子なのか見分けがつきにくいのも確かで、一応、後ろ盾が無い輩を中心に監視を強化させては貰ってる。と言うか、大体は冒険者連中だけんどもな。
それも有って、基本は冒険者ギルドの方に協力して貰って。色々と便宜もはかってるし、迷惑もかけられてるんじゃから、その程度の事はして貰わんと。
まぁ、その警戒している輩の殆どは真面目に冒険者活動をしてるんで、無駄足に成っては居るそうだが。
それでも一応にでも警戒は怠らん様にせんとなぁ?
そんな感じで、この所はある程度の平和な日歩が続いていた訳なんだが……
「師父!! 何か、師父にお客さんが!!」
何か慌ててネフェル王女が執務室に飛び込んで来た。けど……
客ぅ? アポも取らんで? 何て言うか、こう言う時って、大体厄介な相手なんだよなぁ。




