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書類選考には通らない。トールだけど

 遅くなって申し訳ない。

 執務室で、いつもの様にお仕事。最近は館の執事やメイドの人間の中にも事務仕事が出来る人間が増えた事も有って、俺の仕事量が少しだけ減って来て居る。

 もっともこれは、ネフェル王女から借りてる侍女さんの力も有るんで、彼女達が居なく成れば一時的にまた増えるんだが、それでも家の執事、メイドが、ちゃんと仕事を理解して行う事が出来るのならば、その後、後進を育てる事も出来る訳だから、多少時間が掛かったとしても、また同じ水準まで引き上げる事が出来る訳だから、さして問題には成らないだろうさね。


 てか、あれだ、事務仕事の方を覚えた執事やメイド達は、もう、メイドとしてじゃなく、普通に領館に努める公務員として扱わんとなぁ。


「あん?」

『【疑問】どうしました?』

「うん、これさ」


 さてさて、そんな感じで書類仕事をしていた訳なんだが、そんな書類の一つ、申請書の中に気になる書類を見つけ、思わず眉根を寄せる。


『【成程】神聖、オーサキ教会ですか、これが?』


 いや、ファティマさんや、『それが何か?』ってな感じで返してるけどさぁ。

 俺が見せた書類に、特に何の疑問も感じないのか、ファティマは小首を傾げてるけど、コレ申請されている教会の名称が、先ず可笑しいでしょうが。


 何だよ『神聖オーサキ教会』て!


 多分これ、この間ヘンリエッタ王女が言ってた教会の事だと思うんだが、俺、『光教会?』って聞いて、『そうです!』とか言って無かったか? 何で『オーサキ教会』?


 いや、オーサキ領に有る光教会だからオーサキ教会だってのなら……百歩譲って、分からなくもないんだが、これ、教義の中にしれっと『トールきゅんを讃える』とか混じってるんじゃが!?

 他の教義が、『光の神の意志をあまねく広め』だとか『神に奉仕する事で魂のステージを上げ』だとかって、いや、まぁちょっとカルトチックな物も交じっちゃ居るが、それでも宗教として可笑しかない物ばかりなんだが、流石にちょっと『トールきゅんを讃える』は可笑しいだろう?


『【当然】マイマスターを讃える為の教会なのでしょう。何の問題も有りません』

「そう言や、聖武器’S(おまいら)そう言うスタンスだったよな!!」


 そしてイブさん、『とっても納得した!』って感じでコクコク頷かんで貰えますか!?


『やっぱり、そのほうこうでもよかったんじゃん~』

「みんなでアイドルデビュー?」

「いや、コレに関しては、こんな内容だって俺は聞いてないからな!?」


 あのヘンリエッタ王女が『トールきゅん』だとかって言い回しをするとは思えんから、もしかしたら【神託】とか有ったのかも知れんが、兎に角、俺はそんな物を認めた訳じゃ無いし、認めたくもない。

 少なくとも教会名と『トールきゅんを讃える』って言う教義の1文だけは修正して貰えなければ、コレを通す訳にはいかんわ!!


『【驚愕】ええ!! そんな酷いです!! マイマスター!!!!』

「酷くはねぇよ! むしろ自分の領地に自分を讃える為の教会を造る様な領主の方がヤバいからな!?」


 ナルシストどころの騒ぎじゃぁ無いと思うんですが!?

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