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そう言えば無かった

 寝落ちをしていて遅くなりました。

 どうも、最近は疲れ気味の様です。

 遅くなって申し訳ない。

「教会が必要だと思うのです」

「はい?」


 執務室で作業をしている俺の所へ、相談が有ると言ってヘンリエッタ王女が訪ねて来ての第一声。彼女の後ろではクッ殺さん(マリエル)が『そうだそうだ! ヘンリエッタ様の言う通り!!』と囃し立ててる、んだけども……いや、セフィ、何でおまいもマリエルの方(そっち)に参加してる。


『わたしも、やしろがほしいからぁ』


 そういや神様だったっけ。最近は『妖怪だらけきった』としか認識して無かったから、頭からすっぽり抜け落ちてたわ。


『ぶぅ~』


 まぁ、通常、何かする事が有る訳じゃ無いってのも分かるし、実年齢も……まだ生まれたばかりだったか?

 元々の【龍樹】としての年齢を加えて考えると違うんだろうけど、ただ、外見年齢的には幼女だし、実力的に問題なくても、その見た目では冒険者に成るってぇ訳にも行かんし、メイドとかやらせてたら外聞が悪そうな感じだし、多分、本人やりたがらない。


『さすが、わかってるぅ』

「分からいでか」


 伊達に『妖怪だらけきった』だとか思ってねぇよ。


「あ、あの、宜しいですか?」


 俺とセフィのジャレ合いを見ていたヘンリエッタ王女が不満気にそう訊ねて来る。あぁ、そう言や、そもそも王女さんに相談を持ち掛けられてたんだっけ。


「別に構わんよ。光教会?」

「はいっ!」


 そう訊ねると、ヘンリエッタ王女は、嬉しそうに頷く。ついでにマリエルも。いや、コイツは嬉しそうにってか、『よく言った!』ってぇ感じにだが。何故上から目線?


 まぁ、良いけど。


 ヘンリエッタ王女に言われるまで、全く意識して無かったが、そう言えば、俺の領地って、教会の類が無かったな。普通は冠婚葬祭を取り仕切ったりするから、それなりの規模の街なら、大体、教会ってのは有る筈なんよね。


 もっとも、小さい村なんかじゃ、そう言った冠婚葬祭を取り仕切るのは村長だったり領主だったりする事も多いんで、必ずしも教会が必要って訳じゃ無いんだが、それでも、ある程度の規模の都市なら、領主がそう言った事を全て取り仕切るって訳にゃいかんから、どうしたって、それを代わりに行う組織が必要になる。


 実際、公都にも教会とか有った訳だし。

 俺等が拠点にしてた所は“元”が付くが教会だったし、あそこを抜かした所で、別口で教会は存在している。

 まぁ、俺達が住んでた教会は、今は、あそこに残ってる孤児達の拠点に成ってるから、教会として活動してるわけじや無いけど。


 そう言や、結構、あそこを見に行って無いな。時間が無くて。セグティは嫁さんと元気にやってるんじゃろか?

 恐らく子犬とか増えてると思うけど。向こうに残った子供達から、ヘルプが届いたってぇ話も聞かんし、問題なくやってるんだとか思う。

 うん、今度、見に行くか。そんな手間でもないし。


『わたしのやしろはぁ?』

「造りたいなら造れば良いんじゃね?」

『ぶぅ!』


 てか、信者からの【オド】もエネルギーに成るんだったか。ただ、現状のセフィって、ただの緑髪の美幼女でしかなくて、恐らく街の皆の認識だと、俺の家族の一人としか見えてないと思うんよね。

 そんな状態で、社とか構えても、たいして信者とか集まらんと思うんだが。


『ひさくがあるよぉ』


 ほほう? 因みにどんな?


『みんなで、あいどるでびゅぅ~』

「よし、却下だ」

『ぶぅ!』


 確かにアイドルの語源は偶像で、神を象った像を指しちゃ居るが、おまいの言ってるアイドルは、多分、違う奴だろう? 確かにそれもアイドルっちゃぁアイドルだし、信者も付こうが、皆を巻き込むなや。やるなら一人でやれ。


『おーるふぉわん、わんふぉあおーるぅ』

「駄目」

『ぶぅ!! なら、ほんたいのほうのやしろにして、しんじゃをつのるぅ』


 うん、最初っから、その方向で行けや【分け御霊】。

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