個人の感想です
色々と考えて居たら遅くなりました。
遅くなって申し訳ない。
彼の仲間達には、すでに、『手を差し伸べる側』だってぇ傲慢さが見え隠れしてたし、ピエール本人は、チヤホヤされ過ぎたのか、勘違いしたモテ野郎じみた行動に成ってた。
「そもそもの話、魔導帝国で、【魔王】についての情報の収集をやったのか?」
多分してないんだろうなぁとは思う。何せコイツ、【魔王】の名前がベリアルだって事すら知らんかったし。
こんな話、魔導帝国の兵士やらギルド長やらに話を聞いてれば、すぐに手に入る情報だろうよ。
「いや、だって、一介の冒険者でしか無かったボクが、立場ある人から話を聞くなんて事……」
「いやいや、そこは聞きに行けよ。本気なんだろう? 【魔王】討伐」
クロニクル帝にしろギルドマスターにしろ、人の想いを無下にするようなタイプじゃない。少なくとも無駄な特攻とかしなくたって普通に正規の手段で手続きを踏めば、相手はしてくれる筈だ。
ただなぁ、俺が貴族だって分かった途端にの、この恐縮さ加減を考えると、冒険者ギルドの長やら皇帝と相対するのは結構な畏れが有るのかも知れん……のか? ちょっとオジサン、その辺の感覚が分からんのよね。
前世で一国の主とかって言われてもイマイチ、ピンっとは来なかったし、天皇様は普通に敬愛を持ってたけど、畏怖とかなかったし。ギルド長って存在は社長とか会長とかって立場かも知れんけど、知り合いの社長とか普通に飲み屋とか一緒に行く仲だったしなぁ。
いや、それらと一緒にしてもいかんのかも知れんが。
そもそも今世だって王族との付き合いって普通にあるし、国王陛下もそうだけど、横に座ってるネフェル王女とか、今、客室で寛いでるであろうヘンリエッタ王女とか隣国のエリステラレイネ女王とか国王君とかとか……あれ? 俺ってかなりそう言った方々との付き合い多い?
うん、俺の感覚が当てに成らないって事を改めて確認したわ。
まぁ、一国の帝王であるクロニクル帝は兎も角、あのギルド長なら……いや、ギルド長はギルド長で相対するのがちょっと厳しいか? 冒険者も嘴突っ込んで来そうだし……でも、ピエールも女好きっぽいし……何とか、成らんかなぁ。 むしろ手玉に取られるか?
いや、それでも情報くらいは教えてくれるだろう。ピエールが本気だったなら。
「どうもさ、情報ってのを軽んじてる気がするんだよな、俺から見ると」
「ですが!! あれこれ考えてて動けないより、とにかく動いた方が良い事の方が多いと思います!!」
俺の言葉に反論したのは、またしても神官女性。いや、俺は動くなって言ってる訳じゃ無いんだが?
情報を集める=考え込むって認識なのか?
「考え込んで動かないのと、情報収集を疎かにするのは全く違うだろう? 知識も【力】なんだよ。知って居れば対処できるってぇ事は、知らなきゃ対処できないってぇ事でもあるんだからさ。『敵を知り己を知らば百戦危うからず』ってぇ言葉が有る位には情報ってのは重要なんよ」
恐らく、冒険者ってぇ立場からすれば、実践主義って面があるのも確かなんだろう。要は『アレコレ頭の中で考えてるより実際にやってみた方が分かり易い』的な、まぁ『百聞は一見に如かず』とか『案ずるより産むが易し』的な?




