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結果、目的を達成できていれば、その経過は問題視しなくても良いらしく

 寝落ちしての翌朝です。

 本当に疲れがとれないorz

 遅くなって申し訳ない。

 流石に魔族のあれやこれやについては、ギルドホール(こんなところ)でペラペラとしゃべって良いって話でもないと思うんで、ピエール達には後で領主館の方に来て貰う事にした。


 人間の社会の中に、人間体と成って、普通の人間と見分けのつかない【魔族】が紛れてるなんて話は、お互いを疑心暗鬼にさせ、社会に混乱を巻き起こすだけにしか成らないしなぁ。

 そんなもん、下手すりゃ『魔女裁判』みたいな事に発展する可能性だってあるし、そんな事で喜ぶの、魔族達以外は居ない。


 俺にしてみればベリアルを倒そうと熱意を傾ける事自体には問題ないとは思っている。何せ、アイツも魔族。良質な【オド】を喰らう為だけに社会を混乱させ絶望させ、負の感情を引き出す事の為の手段に躊躇なんざしない怪物な訳だからな。


「それはそれとして、当初の目的を達成できなかったなぁ。変な事に巻き込まれて、俺の正体をセンセーショナルに明かしたりできなかったうえに、もう、顔も知られちまっただろうから、同じ手は使えないだろうし」


 ギルドマスターに、本当に最近の進捗具合を聞いての、その帰り、嘆息混じりに俺がそう口にすると、ファティマがそれを否定して来た。


『【平気】それはそれとして、問題はないと思います。あそこに居た冒険者が、この領地に来ている全ての冒険者と言う訳ではありませですし、今回の事で『良く知らない少年が入って来たと思ったら、それが領主だった』と言う()()が作れましたから』


 ……あー、つまりこれからも、良く知らない人間が来たとしても、領主とかの可能性も有るんで下手な事が出来ないって感じになるのか。

 ただ、それだと、冒険者同士の諍いの抑制には成らないんじゃ?


『【説明】それでも、マイマスターやそのパーティーメンバーが、町中で行動していると言う可能性の示唆を残せました。これは、冒険者に“周囲の目”を気にさせるには充分な成果だと思います』


 周囲の目が気になれば、手を控えるって事か? でも、俺がいるかもしれないってだけで、そこまで変わるかね? 『貴族なんざクソくらえっ!』みたいな連中も居るだろう?


『【肯定】権力に靡かない冒険者は当然いるでしょう。それでも“【ドラゴンスレイヤー】が”、と成れば、事情は違って来ます。何せ、そちらは分かり易い程の“暴力(ちから)”の象徴な訳ですから』


 ああ、そう言う事に成るのか。


『【肯定】そもそも、個体名【バフォメット】が居た事で、多少の抑止力には成って居ましたが、ソレがなくなった事でも、この所の冒険者の騒ぎが深刻化していた部分は有りましたから』

「そこを補う形で、俺と言う存在が入った、と」

『【肯定】イエス、マイマスター』


 だとすると、この一回だけじゃ無くて、何度かランダムで町中をうろついた方が良いって事に成るなぁ。


『【肯定】そう成ります』


 ……事務作業が忙しいとかって仕事漬けに成ってるだけじゃダメって事か。時間を作って、街にも繰り出さんきゃいけんのな。

 普通の貴族って、基本、買い物って自分の館に呼び出したり、消耗品なんかは纏めて配達して貰ったり、呼び出すまでもない様な事だったら、メイドや執事にやって貰うから、下手すりゃ外に出なくてもどうにでも成るからな。お茶会とかでもない限り。

 俺だって、同じ様な理由で別に町まで出なくてもどうにでも成ってた部分は有る。


「つまりは、気分転換だったり何なりでも、町中を歩けってぇこったな」

「ん! デート、する」


 そうだな、イブだって館の中だと、メイド業に終始しちゃってるから、上司って事に成る俺が連れ出さないと気分転換にも行けないんだな。


 色々と配慮が足りて無かったわ。

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