表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
800/1157

この世界は危機に曝されているんだよー!!

 遅くなりました。

 申し訳ない。

「そもそもの話、俺はアンタらの事を知らんのよ」


 俺の言葉に、神官女性の口元が怒りでか震える。実際、今まで生きて来た中で、ピエール何て名前なんざ聞いた事が無い。もっとも、俺の人生まだ7年位な訳だけど。

 こっちとしては当然の主張をして居るだけなんだが、どうもピエールパーティーにしてみれば、侮辱されたように感じているのか、ピエール本人は何でか『やれやれだ』って感じの余裕たっぷりな微苦笑を浮かべて居るんだが、それ以外の神官女性を筆頭に、剣呑な雰囲気を漂わせている。


「ピエール様を知らないのですか!! ()()サウペスタ王国の王女にも認められた、“英雄”であるピエール様を!!」


 説明台詞有り難う。てか、()()()()()

 俺はネフェル王女の方を見るが、彼女は『身に覚えが無い』とばかりに首をすくめた。まぁ、あの国の王女、ネフェルだけじゃ無いしな。


 それ以上に英雄、ねぇ。英雄だと言われる様な何かをしたって事だろうとは思うんだが、少なくともピエールと言う名前に聞き覚えなんざ無い。

 取り敢えず、俺が世間に取り残されているってぇ訳じゃ無いのは、俺の家族だけじゃなく、この場に居る冒険者の中にも首を傾げて居る者がチラホラと見える事からも確かな事だろう。


 ただ、それ以外にも『ああ』って感じの反応をしている者が居るって事は、少なくとも、“サウペスタの王女にも認められた英雄”ってぇ事での噂話的な物は多少出て居るんだろうさね。


 もしかしたら、サウペスタの冒険者ギルド何かじゃ有名なんかも知れんわな。


「悪いな、今初めて聞いた。どうにも世情には疎いらしくてな」


 いや、情報収集を怠ってる訳じゃ無いんだが、この所、多分フィニクス関連のアレコレに対しての情報収集に絞ってたからか、それともルーガルー翁辺りが『大したことない情報』って事で、切り捨ててたからか、俺の所にまでピエールとやらの話は上がってこなかったんだよな。


「!! 仮にも!! 魔王討伐の志を掲げ、行動をしているピエール様を知らないだなんて!! 何と言う無知さ加減でしょう!!」


 ……魔王? ベリアルの事だよな? アイツ、また、何かやってるんか?

 少なくとも魔導帝国で逃げた一件の後からこっち、話なんざ聞かんのだが。


『【肯定】少なくとも噂ですら聞いて居ません』


 あの一件に関しては、俺が関与したってぇ事実は伏せられてる訳だが、それでも、少なからず関わってるのも事実だし、活動再開したとかってぇ話が有れば、俺の所に情報が来ないって事は無い筈だと思うんだが?

 何せ、アイツの虎の子の竜種である『ムシュフシュ』を倒したの俺だし。

 そんな感じで首を傾げていると、ピエールが何か勘違いしたのか『やれやれだ』と言うポーズを崩さずに口を開いた。


「この世界は、今、危機に曝されている!! 何からか!! そう、【魔王】の脅威からだ!! ボクは、【魔王】と言う、まだ誰にも知られていない絶望をいち早く察知した!! だから、この世界の平穏を護る為に立ち上がったのだ!!」

「この情報は極秘なのですが、ここに居る冒険者の皆さんには、特別にお教えします。【魔王】と言う脅威の事を!!」


 ……魔導帝国の件なら、良く知ってるんだが? てか、冒険者の中にも、その戦いに参加してる人間だっている筈なんだがね?

 何か、声高らかに言ってるピエールと神官女性、それとその事にうんうんと頷いてる彼のパーティーメンバーには悪いが、俺の家族は逆に、胡散臭い者を見る目に成ってるわ。


 しかも、ベリアルに関しては魔導帝国皇帝クロニクル帝によって撃退されてるよね?


 これ、『な、なんだってー!』とか言っておいた方が良いのかね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
1話目から800話目まで一気読みしました。面白い作品なので、止まらずに読み進めることができました。 通して読んだところ、いくつかの設定の齟齬が見つかりましたので、ついでに報告させていただきます。 ・…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ