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だから名乗れと

 もっとも、俺の名前が『ソール』だと思ってるのなら、『トール・オーサキ辺境伯』だとか『ドラゴンスレイヤーのトール』と同じだと思ってない可能性も有るが、そもそも“俺”って人物そのものを知らない可能性だってある……か? 俺の領地に来てて、そこの領主の名前を知らないとか……あり得るのか? もしかして『自分の名前を知ってるだろう』って思ってるのは自意識過剰なのか? うわっ!! 恥ずかしい。俺も人に言えない位にナルシストだったって事か!?


『【否定】オーサキ領の冒険者ギルドに来ていて、それは無いと思います。何せ、オーサキ領自体が、ドラゴンスレイヤーの功績で与えられたと言う()()の領地なのですから』


 あ、うん。フォローありがとう。

 って、事は、俺の事を本当に『ソール』何て名前だと思ってるって事か? いや、幾らなんでも、履物の名称を名前なんかに……

 あっ! 誰とは言わんがエノクさんの双子のあの人。サンダルばっかり履いてたからサンダルフォンって名前に成ったって説が有ったな。

 良し、そう言う事も有る。トール覚えた!


 って、事は普通に俺の事を『ソール』さんだと思ってるってぇ事か? だとしてもこの態度はどうなんじゃろ?


「とーるんは美少女ぉ」

「ん!!」

『たようせいぃ』


 いや、俺、男だけど!? イブさんも同意しないで!? セフィ、そっち方面の多様性って、実質選択肢減ってるから!! てか、おまいらの中で俺って存在はどんな事に成ってるの? あれか? 膝付き合わせてのお話が足りんかったか?


「ト、トール様は、格好良いですよ?」

「あ、うん。フォローありがとう」

「流石師匠です!!」

「何が!?」


 何も思い付かなかったんなら、無理に周囲に合わせて会話に入って来ようとせんで良いんやで?


「ちょっと、そちらでだけ盛り上がっていないで、何か言う事はありませんの!!」


 おっと、少しばっかり放置し過ぎたか。神官の女性が憤ってるな。とは言え、特に言う事なんざ無いんだわ。恐らく向こうは俺に謝罪とか求めてるんだろうけど、俺の方に、それに応えてやる義理は無い。


 そもそも、ピエールとやらが、どこの誰なのかも良く分かって無いんだわ。

 もし王族だったとか公爵子息だったって場合は、少しばっかし俺の方の態度の方が悪いって事に成るんだが、ただ、貴族的ルールでは、名乗る前の上下関係を含めた態度ってのは、“無かった”って事にされるからな。


 だから、向こうが名乗ってない以上、俺の態度に関しちゃ、何の問題もないって事に成る。

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