風雲急を告げる
寝落ちして居ました。
遅くなって申し訳ない。
ゾワリッとした感覚に、一足飛びで執務室の窓へと駆け寄る。
「ケルブッッッッ!!!! ファティマァァァァ!!!! オファニムゥゥゥゥ!!!!」
『【了解】イエス!! マイマスター!!!!』
俺の呼びかけに応え、ファティマが、ケルブが、そして、そのケルブに収納されているオファニムが戦闘モードへと移行する。
窓から飛び出した俺は、駆け込んで来たケルブから射出されたオファニムの、その展開された胸部から搭乗すると、聖斧モードへと変形したファティマを掴み、そしてオファニムをケルブと接続した。
上空を仰ぎ見、【全能力起動】して、ソレを確認する。
空に見える無数の光点。近い。【フォートレス】を発動している暇までは無い。
「ファティマ、ちょっと無理するぞ!?」
『【了解】イエス!! マイマスター!!!!』
俺は【プラーナ】を循環精製し、背面と脚部の噴出孔から【プラーナ】を噴出させ、宙を駆けあがる。
まぁ、防御が間に合わないってんなら、迎撃するしかないよなぁ。
駆け上がりながらも、【エクステンド】から、【プラーナ】を収束させビームを放ち、光点、つまり、この街へと放たれた攻撃魔法の幾つかを撃ち落としつつさらに加速。
数が、多い!! 上空へと上がれば上がる程、その詳細な数が見えて来るが、コレ、100や200じゃ、きかねぇぞ!?
【エクステンドビーム】を横薙ぎにばら撒き、なるべく多くを撃ち落とした。が、それでも攻撃魔法はまだまだ残っている。
俺は、オファニムへと【魔力装甲】経由で【プラーナ】を加速、循環、精製を行い、それを増幅したオファニムのスリットから漏れだす赤光が、その光量を増やすと同時に高速で循環をする。
ギュオオオオオオオオオオオオ……と言う、循環する【プラーナ】の音が響き、オファニムの、そして腰部に接続し、下半身と成って居るケルブの赤黒色が、その深みを増し、スリットからの赤光が、更に黒く光量を増した。
「ファティマアアアアァァァァ!!!!」
『【了解】イエス!! マイマスター!!!!』
ファティマに【プラーナ】を注ぎ込む。ヘッド部分が黒に染まり、各部の赤いスリットが開いて、赤光が漏れ出す。
と、同時に斧刃部分が展開し、刃が拡張される。
俺は攻撃魔法の雨の中へと突っ込むと。ファティマを振るった。
ドドドドドドドドドドドドドドドッッッッッ!!!!!!
轟音が響き、ファティマによって切り裂かれた魔法が、その場で爆発する。その爆発に俺も巻き込まれる、が、この程度で、オファニムが致命的なダメージなんざ負う訳はない。
俺は、その上で、更にファティマを振るいながらも、【エクステンド】からのビームもばら撒く。
放たれた攻撃魔法の量も多いが、威力も高い!! キャノンタイプの【エクステンド】のビームじゃ無きゃ、まともに撃ち落とせんぞ!! これ!!
ビームを放ちながらも、ファティマを振るい、振るい、振るう。
ゴゴゴゴゴゴゴ!! ドドドドドドドドッッッッッッ!!!! ゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ!!!! ドドドドドドドドドドドドドッッッッッッッッッッ!!!!!!
爆音が轟き、爆炎が舞う。流石に、これだけの爆発の中に居ると、俺も無事では済まなかった。だが、全身のダメージは【プラーナ】を活性化させ、順次回復させて行く。
我武者羅に振るった刃が最後の攻撃を潰し、何とかしのぎ切る。
流石に息が荒いが、それを深く、長く呼吸する事で整えて行く。
「マジか」
残心の為に視線を巡らせると、更に迫って来る光点を認める。
『【確認】マイマスター?』
「分かってる」
さて、第二ラウンドだ。




