休むことも必要なんですわ
マトスンが頭を抱えながら、医務室のベッドで横に成って居る。流石に転がる様な事はせんわな。点滴打ってるし。でもまぁ、悩めるだけ悩みなはれ。その内なんかヒントをくれてやろう。揚力とか。
それはそれとして、点滴の容器や針は家のドワーフ連中が作ったらしい。ガラスの容器に、穴あきの針にと、良く作ったもんだわ。得意だよな、彼奴ら。ちなみに、それを繋いでるチューブは管状の植物なんだとか。タンポポとかそんな感じの。
『がんばったよぉ~』
あ、うん。ちゃんと仕事してるんな。てか、セフィに手伝わせてたなら、一報が欲しかったわ。今、セフィ、おこづかい制だから、労働したってのならその手当付けんとあかんし。
ブラック良くない。
多分、ドワーフ連中としてみれば、子供に手伝いを頼んだってぇ程度の認識で、下手すりゃ飴ちゃん一つで済ませてる疑惑有るし、セフィ本人も、現金より、そう言った物での現物支給の方が嬉しいらしいし。
まぁ、家の裏にある実験農地に、植物が増えるのは、ヴィヴィアンの奴も狂喜乱舞するし、まぁ良い事だよな。
いや、ヴィヴィアンの事だけじゃなく、家の領地の特産物が増えるってぇ事でも有るから、家の領地的にも良い傾向ではある。そもそも、大森林内を開墾してるってぇ体で、納税を免除して貰ってるんで、稼ぐだけ純粋な利益に成るからなぁ。
いや、別に体裁って意味だけじゃなく、実際開墾もしてるし? 難民が移住する時にはその適正を聞いてではあるけど、農地を増やしてみたり、酪農地を増やしてみたり……木材作る為に伐採した土地を有効活用しながらなぁ。
その上、この間だって、古代遺跡を発見したりとかもしてるじゃん? これも土地開発の一端ではある。つまり、建前じゃぁなく、開墾もしてるんだから、免税はされていても可笑しくはない。つまりはそう言う事だよ。
「まぁ、体と頭を酷使し過ぎだったんだよ。良い機会だから、ゆっくり休め」
「……分かりました」
あぁ、これ、納得行って無い奴の『分かりました』だ。いやまぁ、こればっかりは無理やりにでも休んで貰わんとあかんのやし。




