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紙一重の方

 少し用を済ませていたら遅くなってしまいました。

 申し訳ない。

『【嫌悪】そのままくたばって居れば良かったのに』


 辛辣ですねファティマさん。まぁ、ファティマはマトスンの事嫌いだろうけどさ。いや、逆か。()()()()()()()()()()()()()聖武器であるファティマが、()()()()()()()()毛嫌いする程に嫌っているんだから、相当なモノだって話だな。にも拘らず辛辣程度で済んでいるって辺りで、マトスンの能力の高さが……表されてるか? いないか? いないかな? うん、よう分からん。


 それでもまぁ、ファティマの気持ちは分かる。変態弩Mストーカーとか、聖女でもなけりゃ普通は嫌いだろうさ。特に、そのストーキングの対象が自分ならなぁ? あの後ファティマ、トラウマってたし。


 まぁ、それは置いておいて、マトスン、疲労と寝不足でダウン。原因は紙飛行機。つまり犯人はこの中に居る!! そしてそれは俺だぁ!!


 マトスンね? 紙飛行機にドハマリしたらしいよ? って、言うか、純粋に物理的に魔法ってか、魔力を使わない飛行方法に。

 てか、不眠不休は止めなさい。作業効率が落ちるから。


 そんなマトスン、救護室で点滴打って安静中。


「外してください!! トール様!! こんな拘束具ごときで自分の情熱は止められない!!」

「そう言うのはちょっとでも進展させる事が出来てから言え。おまい、全く思考が進んでないじゃんかよ」


 予想通りと言うか何と言うか、この阿呆、俺の作ってやった紙飛行機をそのまま巨大化させてやがったんよ。

 いや、まぁ、材質は魔物素材とかに替えてたけど、根本的な所から間違ってるっての。


「紙飛行機に動力は付いてません」

「フッフッフ、甘いですよ!! トール様ぁ!! その位、自分だって考えてあります!! トレースするなら最後まで!! そして自分には、ソレを行える頭脳が有る!!」


 あ、オチ読めた。


「紙飛行機を飛ばす為に必要なのは“手”!! つまりはそれを作ってやれば良い!! すなわち、巨大紙飛行機を飛ばす為に必要な、巨大な手を造れば良いのです!!」

「でもそれだと、最初の一回しか飛ばせないし、飛ばせる場所が固定されるよな?」


 ショックを受けた顔をしてはる。本気で気が付かなかったのか? マジで?


『【唾棄】そのまま心臓が止まれば良いのに』


 いや、本当に辛辣だなファティマさんや。黒堕ち中のファティマに苦笑してると、マトスンが油の切れた蝶番の様なぎこちない動きで俺達の方を向いた。


「しゃ、車輪を付けて移動式に……」

「それじゃぁ結局巨大な手を待ってないといけないから、“空を飛ばせる”と言う事の利点の一つを潰す事に成るよな?」

「ならば!! 巨大な手を大量に作って、各地に!!」

「予算が掛かり過ぎる上に、確実に手と手の場所に飛ぶとは限らんだろう」


 ショックでふらつく様に頭を押さえると、マトスンはベッドにドカリと倒れ込んだ。だが、その次の瞬間、ハッと何かを思いついて顔を上げる。


「巨大な手、そのものを巨大紙飛行機に搭載すれば!!」

「持ち上げられんし、多分、飛ばん」

「神よ、我を見放したか……」

『さいしょから、みまもってないよぉ~』


 そう言えば、一応なりとも“神”なんだったっけ? セフィ。

 セフィ―の言葉を聞き、マトスンが燃え尽きたかの様に真っ白に成って居た。


 うん。生きれ。

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