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日常を取り戻す

 執務に区切りをつけて、鍛錬に向かう。確かに疑心暗鬼で視野狭窄に成っているのも不味いが、能天気に無策で居るってのも愚の骨頂だしな。

 そう言う訳で、ルールールーとコボルト情報部隊には色々と動いて貰いつつ、俺自身は何が起きても対応できるようにと、体を鍛える事にしている。


 コボルト情報部隊は、彼らの能力である【短波】を使う事で、対象の精神状態から嘘を見抜いたり、【疑似念話】とでも言える技術を使って、ある程度の距離が有っても会話をする事が出来るって事も有って、重宝しているらしい。諜報だけに。


 いや、マジすまん。


「俺の為に力を使ってくれるのは有難いが、無茶はせんでくれよ?」

「大丈夫です、トール様。皆がトール様には感謝してるんですよ?」


 恩に着せて無茶をやらせてるんじゃないかと危惧する俺に、ティネッツエちゃんは微笑みながら、そんな事を言った。

 コボルトの能力って便利だからこそ、権力者としては手に入れておきたい物ではあるからなぁ。ただ、俺的には、そんな感じにコボルト達が使()()()()のは本意じゃ無いし、折角、能力の制御を覚えて、普通に街とかにも出られる様に成ったんだから、その正体がバレる様な事はして貰いたくない。

 だけど、コボルト達が自主的に行う事を否定もしたくは無いんよね。

 なんで、心配をしつつも感謝はしておく。


 ******


 俺の鍛錬は、動きの遅いストレッチとプラーナの運用がメインに成る。いや、ネフェル王女との模擬戦はするけど、体自体がまだ出来上がって無いから、過度に身体を苛め抜く様な事はせんよ。一応にでも、俺まだ7才だからね?


 模擬戦は兎も角、ストレッチとプラーナ運用の為の瞑想をやってる時は、イブも俺の隣で同じように鍛錬をする。

 まぁ、自身の身体の動く範囲と動作のスムーズさを確認する為のストレッチなら、イブでも無理せず出来るし、プラーナの循環と同じ様に魔力を循環させたりする行為自体は似通った物だしなぁ。

 ただ、俺の場合は【魔力外装】から始めて、【魔力装甲】、【フォートレス】へと至る時間を縮める為に、魔力を研磨し濃縮する工程をスムーズに行う為に、何度もそこまでを繰り返す訳だが。


 うん。【闘神化】までは至ってない。もっとも、【闘神化】もオファニムに搭乗した状態で至った境地ではあるんで、素の状態からだと、早々直ぐには至れるとも思ってないから、鍛錬を続けるしか無いんよね。

 そもそも、【闘神化】にしろ【邪竜】の時の一撃にしても、オファニムが行ってくれたのはプラーナの増幅だけの筈なんで、結局の所、俺のプラーナ量が足りてないだけだとは思うんよね。

 だから、何度も使って、切ってを繰り返して、プラーナの使用効率を上げながら、プラーナの総量を増やすしか無いんだわ。


 正直、地味な繰り返しだとは思うんだが、基本の反復練習は大事って事で。

 何と言うか、思考による理性での運用も重要ではあるとは思うんだけど、繰り返して鍛錬する事で、体自体に覚え込ませるってのも大切だとは思うんよ。特に、咄嗟の行動って事に成ると、思考を挟んでいると、どうしても一歩遅れるからなぁ。


 そんな俺の隣ではイブも同じ様に魔力の制御を訓練する。具体的に言うと、体内での魔力を循環させつつも、周囲に漏れ出す魔力を極力減らし、魔力を事象に変換する時のロスを減らす訓練なんだそうな。

 究極的には、第三者からは全く魔力を感知出来ないにも拘らず、魔法の行使が行えるようになるのが理想だとか。


「人間って大変だねぇ」

『たいへんだぁ~』


 いや、魔物だって訓練すれば上達はすると思うんだが? 鍛錬をしないよりは、しといた方が良くね?


「トールんの言わんとする所は分かるよぉ~。だが断る!!」

『ことわるさぁ~』


 いや、何でよ。

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