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生みでも育てでもない父親

 大変遅くなりました。

 申し訳ない。

 キャル曰く『変な人が来た』って事な訳だが、まぁ、俺の留守中に、『領主(トール)に合わせろ!』とかって言うオッサンが来たらしいんだわ。

 で、大奥様こと第二夫人(ママン)がおかんむりにってぇ事な訳だが、その何と言うか、俺に会いたいってか会いに来たってぇオッサン曰く、俺の父親って事らしい。


 おっかしいなぁ。俺の父親、見知らぬオッサンじゃぁ無いんだがな。その事はどこぞの我侭意のまま公爵令息と、不本意ながらも血が繋がってるってのが確実だって事が証明されてるんで、間違いが無い筈なんよね。でなければ、一緒に召喚とかされん筈だし。あんまり認めたくは無いけど。


 うん、第二夫人が怒るのも当たり前の事だわ。多分、そのオッサンは知らん事とは言え、第二夫人の事を侮辱してるって事に成るし。

 ってか、キャル、第二夫人の事を『大奥様』って言ってるんね。いやまぁ、実際的には間違いでは無いんだが、対外的には第二夫人の立ち位置は俺の後見人って事に成ってるだけなんだからねっ!


 そう言えば、第二夫人って言い方もどうにかした方が良いよなぁ。正確には『第二エスパーデル公爵夫人』な訳だし。


 いや、本人はこの言われ方嫌がるんだけんども。もう、公爵の方に愛情は無いっぽい。まぁ、そもそもが政略結婚で、本来なら王族に嫁ぐ予定だったにも関わらず、王家の傍流である公爵家に嫁がされたっぽいんだよな。その上で、あの扱いだってんなら、確かに愛情とか持てる訳はないんよね。で、今その分が全部俺に注がれてるみたいだしなぁ。


 愛されてる自覚はあるねんで、と。いや、ちょっと偏愛チックではあるんだけんどもさ。ただ、あれはしょうがない。と思う。うん。


 それはそれとして、取り敢えず、そのオッサンと会ってみないとよう分からんよね。ただのカタリなのか、それとも、何がしかの勘違いなのか。

 もしくは、何らかの思惑とか裏が有るのか……


「で、そのオッサンとは連絡つくのか?」

「お父さんかも知れない人だよね? オッサンで良いの? まぁ、泊ってる宿は聞いてるよ」

「間違いなく父親じゃぁ無いって事は分かってるからな」

「そうなの?」


 俺の言葉に、キャルは釈然としない物を感じて、首を傾げる。ただ、そうは思っても、あまり深くはツッコまないでくれるのは有難い。そもそもが人に言えない事が多いってのを理解してくれてるからなんだろうけど。

 まぁ、真相は説明出来ないんだけんどもさ。どうすっかね? 父親とは、もう死に別れたって事にしとくか? その方が後腐れないし。

 ただ、後々に、第二夫人との関係を明かせる時が来た場合とかを考えると、嘘に嘘を重ねるのもどうかと思うんよなぁ。今更だし、そんな未来が来るかどうかは分からんけど。


 それはさて置き、取り敢えず、自称『俺の父親』さんと、対面してみますか。

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