馬鹿騎士は丸投げした
折角持って来たんで、このままとんぼ返りで持って帰るってのもどうかと思ったんで、父王さんに押し付ける事にした。
「何とっ!! この者が神御子様の御領地で狼藉を!! 何と言う罰当たりな事を!!」
「いや、普通に国際問題ではあるけど、別に罰とか当てねぇからな?」
俺の本来の姿を知ってるからとか、名指しで【神託】が有っただとか、色々有ったからだとは思うけど、何か敬意を持たれてるってのは分かる。分かるんだけんどもさ。面会希望して、その翌日には叶うとか、国のトップとして腰が軽過ぎじゃないか?
『【得意】流石、マイマスターの御威光が分かるのですね、中々、見所が有りますね。凡夫にしては』
王様やってるんだから、凡夫って訳じゃねぇだろうよ。って言うか、その前にどんだけ上から目線なんよ、おまいは!!
「はは!!、有難く存じます!!」
「父王さんも遜らんでっ!?」
一応なりともあんた一国のトップなんだからね? それと、ファティマは後でOHANASHIな?
『【驚愕】何故!!』
因みにルールールー経由で国王陛下には確認を取ったけど『良きに計らえ』って事だったんで、もう後は父王さんにお任せって感じで。
国王陛下も、内乱続く小国群だと、まともに交渉とか無理だと感じたみたいだわ。無理に連絡とって交渉しても、内乱で国力が弱ってたら、賠償求めても、まともに返せんだろうし、そこまで大事にする様な懸案でもないし、コストの割にリターン少ないだろうしなぁ。
そもそも小国群って、別に隣国って訳でもないしねぇ、それ程重要視できる国って訳でもない。一応、内湾を挟んでの隣国は聖王国な訳だし、その聖王国とだって、船を使っても半月以上かかる距離な訳だし、陸路ならもっとかかるからなぁ。
小国群にしろ聖王国にしろ、地理的物理的に遠いんで、外交的にも重要な場所だって思ってないっぽいしな。まぁ、聖王国ってかルティシア嬢の領地と積極的に取引してるのは、エクスシーア商会位だしなぁ。
そんなこんなで、馬鹿騎士の処遇は聖王国に任せる事にする。とは言っても、父王さんに一任って感じだし、そもそも、この馬鹿騎士の元々の狙いって、ルティシア嬢との婚姻であり、それが成った場合の後ろに居る公爵家の権力な訳だから、聖王国、全くの無関係って訳でもないしな。
小国群に介入する為の切っ掛けの一つって事に成る……かね? まぁ分からんけど。良いように使ってくれって感じで。
「時に神御子様!! 代わりと言っては何なのですが……」
「神御子は止めてくれ。で、何?」
「神御子様の領地を聖地として……」
「駄目だよ?」
観光客は大歓迎だけど、宗教的聖地にされるのは色々とやり辛くなるからな? 第一、家の領地聖地とか、その理由とかも説明できないじゃん。
それに、光教会の聖地だとかって方を認めっちまったら、絶対、獣人の王国の宰相さん辺りが『闘神様の聖地としてっ!!』とかって言い始めるだろうし、そう成ると皇国も名乗り上げそうだし。色々面倒な事に成る未来しか見えんから!!




