まだ、解決などしておらんのよ
取り敢えず、元老院とよく相談して証拠を集めなはれと、父王さんには助言をしておく。
まぁ、色々話はしたけど、噂話の火消しはするから、おまいが頑張れって言う結論。多分、俺が父王さんと接触した時点で黒幕の魔族はこの国から離れてる気がするし。
……あ、だから『トールきゅんが来ればオールオッケー』って事だったのか? つまりこの結末は俺が聖王国へと来た時点で決まっていた、と。
だとすると、何でヘンリエッタ王女に俺を迎えに来させた。そもそも俺は聖王国に向かっていたのに……いや、俺が牢に入れられた事自体が、ヘンリエッタ王女が俺の所に来ていた方の結果か。うわぁ、本気で『神の掌の上』だったって事か。モヤるわぁ。
「そうだ、父王さんは『魔女派』ってのは知ってるかい?」
「な、何故、その者達の事を!!」
あ、『魔女派』については存在してるっぽいな。だとしても、あの時、襲撃して来て居たのが、本当に『魔女派』だったのかは分からんのだけんどもな。
「聖近衛騎士副団長がそんな事言ってたんだわ。襲われてたんよ、何がしかの組織の連中になぁ」
「ヘンリエッタから、襲撃され、そこを救われたのだと言う話は聞いて居りまするが、それが『魔女派』だった、と?」
「悪いが、全滅させて、証言の取りようが無かったんで、俺は知らん。さっき言った通り、マリエルの話では『魔女派』だろうって事だったわ」
俺の言葉に、ゴッドフリードさんが思案顔に成る。
そもそも『魔女派』については、俺は詳しくは教えて貰えなかったし、ルールールーの情報網にも引っかかって無いから実態が分からん。
ただ、あそこまで自信満々に言い切ってたって事は、何がしかの確証を掴んでたってぇ事だろうとは思うんだが。
クッ殺さん、思い込み激しそうだったからなぁ。そのせいで、情報ソースとしての信憑性にイマイチ欠と言うか何と言うか……
「『魔女派』は、禁書に書かれる『破滅の魔女』を崇拝する一派であり、つまりは背信者でございまする」
まぁ、父王さんの言う所では、魔女ってのはこの世界の破壊者って事で合ってるらしい。ただ、やっぱりその詳しい情報は、【禁書】の内容に成るんで、外には漏らせない物なんだそうな。
「そうですか、マリエルが口を滑らせましたか」
おおう、ここに来て、一番の怒りな気がするぞ、と。
まぁ、ゴッドフリードさん敬虔な信者っぽいんで、そう言った規則であるとかルールに抵触する様な事は、激おこぷんぷん丸っぽいな。
まぁ、やらかした事自体は本当の事なんで、みっちり怒られておきなさい。




