政治の世界は巻き込んだモノ勝ち
短くて申し訳ない。
これが推し活的な比較的平和な感じなら良いだろうけど、それでも、その推しの影響力如何によっては自身の進退まで関わるとなると、平和的だとか何だとか言ってられないってのは理解したくはないけど、理解出来ちまうんよね。俺も汚い大人やってた時代がある訳だし。前世で。
それでも、まだ2、3人位なら、ここまで細分化せずに、もう一寸、穏便に行くんじゃねぇかと思うのは、俺の想定が甘いからかねぇ。
どう考えたって、ここまで拗れてるの50人も王子王女が居るからだし。
つまりは50人も居るせいで、一人あたりに支援出来る貴族家の数が少なくなっちまうんで、そうなると数割でのお互いの力関係が平均化されるんで、『あれ? これなら自分も行けんじゃね?』みたいに考える輩もどうしたって出ちまうんだろう。
特に王子王女達が、継承権的にも能力的にも五十歩百歩だったりしたならなぁ。
そんな訳で、聖王国内、絶賛、政治闘争に暗躍、暗殺にとドロッドロの暗闘が繰り広げられてるんよね
「って、そんな時期にヘンリエッタ王女がルティシア嬢ん所に身を寄せてるのって大丈夫なんか?」
「まぁ、オルネスティア公爵は、どちらかと言えば中立派ではありますので、取り込みに掛かってると思われる可能性は高いと思います」
ルールールーからの報告書の内容確認ついでに、聖王国内の事情を聞く為、俺は聖近衛騎士をお茶に誘ってたんだが、普通に食堂で軽食をつまみながらでも良かったか?
ただ、実は確信犯だったマリエルの言葉に、俺の視線が強くなり、そして逆に彼女の視線は彷徨い始める。
「クッ! 殺せっ!!」
いや、死なさんけど?
『【嘆息】ですが、その程度の事はどの派閥でも行ってる事ですので、個体名【ヘンリエッタ】が動いたからと言って即座に公爵=第13王女派とはならないでしょう』
ならまぁ、良いけど。
『【追加】それに、副団長からして見れば、公爵と言うより、マイマスターに保護して貰おうと言った意味が強いのだろうと、愚考します』
う~ん。その理屈自体は分かるんだけんどもな? 実際、馬鹿騎士ですら後ろ盾を求めて俺ん所まで来てる訳だからなぁ。
ただし馬鹿騎士は、ルティシア嬢、ひいてはオルネスティア公爵の、だけんども。




