表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
756/1157

特に聞きたくもない聖王国事情

 ヘンリエッタ王女は第13王女な訳だけど、現状、聖王国の子女子息の数は50名近いらしい。頑張ったなお父ちゃん、とも思うが、この兄弟姉妹、殆どが腹違いな上、正式な王妃と言うのは存在しないんだとか。何だそれ?


「立場的には、父王様は“神の伴侶”と言うお立場なので、正式なと言われれば、王妃の立場と成るのは『光の神』と成られるのです」

「……え? 光の()神が王の伴侶なの?」


 そんな俺の疑問に悦明をしてくれた聖近衛騎士(マリエル)が首を傾げる。何を言ってるか分からないと言う様な表情だが、俺だって何を言われてるのか分からねぇよ。


「“光の神”は“光の神”であって、男性だとか女性だとかと言った物は超越しておられるでしょう?」


 ……一寸おじさん、言ってる事の意味が分からないんだが? 50人もの子供作っといて、伴侶は光の神しかいないって事も含めて。

 いや、人間の妃が居ないって所は理解出来るけんども、え? 第二妃とか側妃とかですら無いんの?

 因みに、過去、女性の王が居た事も有ったらしい。その時も、正式な王配としての立場の者ってのは居なくて、“光の神”が伴侶で、ただ、王子は居たらしいけれども。


 つまりは、“光の神”の“伴侶”って事が所謂、王の条件で、その血筋自体は高位貴族であれば、大体、構わないっぽいんよね。

 もっとも、その辺りの公爵家は王家の直系からの血筋だし、侯爵家も従妹だったりその辺りの血筋だし、伯爵家も何らかの血縁関係らしいんだそうだが。

 これ、遺伝子的に大丈夫なのか? まぁ、俺がどうこう言えるものでは無いんだけんどもさ。


 で、王の子女子息の間には、一応序列ってのは存在しないらしい。まぁ建前的には。


「やはり、()の力と言うのは無視できません。でなければヘンリエッタ様がこんな冷遇など!! ック! 殺せ!!」

「死ぬなや」


 で、そのヘンリエッタ王女、所謂、聖女の家系の筆頭だそうで……声に出しては突っ込まんからな? 何だよ筆頭聖女って。

 ただ、爵位としては伯爵家で、その上、清貧を至上とするようなお家柄の為に、家の力としては、それほど強くはないんだそうな。


「……その割には聖近衛騎士副団長が護衛についてるんな」

「……」


 目ぇ逸らしやがったな。一寸おじさんと目ぇ見て話そうか? 聖近衛騎士(マリエル)さんよぉ。


 つまりあれか? おまいさん、押し掛け騎士って事か? 何やってんのよ聖近衛騎士団副団長!!


「ヘンリエッタ様とは幼馴染なのだ!! 昔からお優しい程にお優しいヘンリエッタ様をお守りする為に武芸の腕を磨いて来たのに!! 折角、聖近衛騎士団の副団長にまでなったと言うのに!! 何故、あんな色ボケ王子の護衛をせねばならん!! クッ! 殺せ!!」

「死ぬなや! てか、俺にキレられてもどうしようもないわ!!」

「クッ!! 殺せ!!」


 死にたがりか!!


 まぁ、近衛騎士で成り上がっても望みの人間を護れるわけじゃ無いからなぁ。

 てか、色ボケ王子? 何と言うか、聖王国内部の上層部、俺が思ってた以上に問題ありそうだよなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ