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天然王女は綱の上で踊る

 中々纏まらず、時間が掛かってしまいました。

 遅くなって申し訳ない。

「……」

「どうしました? 師匠」

「いや?」


 振り返り、ジッと眺める。まぁ、()()良いか。てか……


「ヘンリエッタ王女は、何時までここに居るんです?」

「トール様が居られるなら、何時までも」


 いや、何その答え。てか、置手紙一つでお城抜けだして来たんだよね? その上、俺と会った時は、襲撃されてたよね? 多分、彼女が居ない方が都合が良い誰かから。

 第13王女ってぇ事は、王位継承的には低いと思うんだが、それでも狙われるって事は、つまり、彼女の持つ“能力”的な部分で都合が悪いか、もしかしたら、生まれた順番とか関係なく、その“能力”で、継承順位が変わるのか……


 いや、王位継承権的な部分で問題が有るってぇ訳じゃないかも知れんのか。思い込みは視野を狭めるからな。可能性ってだけなら、様々な可能性を考えていた方が良いんだろうしな。


 実際の所、ヘンリエッタ王女の色々な事情に、俺が関与するべきではないんだろうが、既に巻き込まれてるも同然なんだから、心構えはしていた方が良いだろうさね。


 問題が有るとすれば、王女が何故か俺に付いて回ろうとする事なんだわ。【神託】での使命は終わってる筈だし、こうして市井に出ているよりも、王城の中に居た方が、家臣たちの目も有る事だし、彼女の味方もいるだろうから、安全だろうと思うんだがね。


 にも拘らず、ヘンリエッタ王女は王城の方に戻る気は無いみたいだし、下手すりゃ小国群の方まで付いて来そうな勢いなんよね。


 流石に、第13とは言え、仮にも王女を戦地に連れて言って良い訳なんざ無いだろう。けど、この王女様、天然で一寸抜けた所は有るけど、結構頑固で、自分の言った事を曲げようとしないからなぁ。

 まぁ、そんなんだから、置手紙だけして城を抜け出したりするんだろうけど。


 下手に行動力がありやがるから、ここで置いて行ったとしても、自分達で後を追って来そうな感じがなぁ。


 いや、俺達に付いて来ようとしてるってのも、俺が勝手にそう感じてるだけだから、もしかしたら付いて来ないかも知れないしな。流石に自身の身分や、小国群がこれまで以上に危険な場所だって事くらい理解してるだろうし……してるよな?


 ただ、残して行くってのも不安が有るっちゃ不安が有るんよね。何せ狙われてるってのは確かなんだし。もし置いて行くって事に成れば、多分ルティシア嬢ん所になる訳だけど、何か今回、一方的に負担を強いてるだけって感じで、これ以上、迷惑をかけるのも気分的になぁ。


 何にせよ、俺が頭ん中でごちゃごちゃ考えてたって、何も解決しないしな。


「ヘンリエッタ王女。王女は、俺達が小国群に行く時について来るってぇ心積もりは有るんか?」

「はい、当然です」


 当然なんか。

 ……さて、一寸ルールールーに、連絡でも入れておくか。色々と調べてほしい事も有るし。

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