やっぱむり
今回はここまでで力尽きました。
短くて申し訳ない。
「流石に、こちらで処理、と言う訳には行きませんね」
「だよなぁ」
案内され、ついた先はオルネスティア公爵邸。つまりはルティシア嬢の住んでる御屋敷。とは言え、この港街で商談をする為の別邸の1つらしいが。
いや、コレで別邸て。俺の王都の方にある邸宅と規模的には変わらんのじゃが!?
むしろそれらも含めて領地にある俺の館の方が小さいて。え? 俺の自宅狭すぎ!? いや、俺的には自宅も十分でっかいんだけんどもさ。むしろ王都宅やこの公爵邸の規模って必要なの? って思うんだわ。普通に。
『【苦笑】人を雇い、雇用を生み出すのも“持てる者”の務めですので』
まぁ知ってるけどさ。ノブレスオブリージュってヤツだな。貴族だもんなぁ俺も。
それは兎も角、件の馬鹿騎士、聖王国サイドで引き取る事は出来んらしい。当たり前っちゃぁ、当たり前なんだけんどもさ。
「原因の一つがワタクシに有ると言うのは確かですが、罪自体はトール様のお国との問題ですから」
「不法入国だからなぁ」
原因としての理由が、この馬鹿騎士がルティシア嬢と政略結婚したいから、彼女が信頼を置いているらしい俺にとりなしを願う為であり、不法入国をした手段が小国群の難民に紛れてってのがね。
しかも、その政略結婚も、この馬鹿騎士が一方的に言って居る事でしかなく、ルティシア嬢、ひいてはオルネスティア公爵家にとっては全くメリットがない物だってのが、またね。
さてどうしたものかと首を回すとヘンリエッタ王女と視線が合う。
「流石に外交の事にまではわたくしは口を挟めませんので」
この国の王女様でも、出来る事と出来ない事が有るらしい。まぁ、その辺は期待して無かったけど。そもそも、何で俺を聖王国に連れて来たかったんだか分からんのよね。【神託】を預かったってのは聞いたが、その【神託】だって、何らかの意味が有る筈なんだからさ。
ただ、この国に来れば良いってだけだってんなら、ヘンリエッタ王女様は、既にお役御免の筈なんだ。
にも拘らず未だに俺の同行して居る辺り、何かやって貰いたい事が有るんじゃねぇのかね。
まぁ、それは置いておいて、さしあたっての問題は、この馬鹿騎士をどうするかなんだよね。
聖王国に預けて行ければ良かったんだが、そうは問屋が卸さなかったわ。
そう成ると、自分で小国群迄行って、馬鹿騎士をコイツの上の人間に引き渡してやらなくちゃいけん訳だ。
まぁ、そう言う事も有るかと思ってたんで、今回、余裕をもって休みを請求してきてるんだがね。




