青い血の流れている奴らは血筋に五月蝿いから
「まぁ、仲良くな?」
「し、師匠ぉ~」
情けない顔すんなや。まるでドナドナされる様な表情だが、別に命の危機ってぇ訳じゃないんだからよ。
イブ達と合流して、再び聖王国を目指す。いや差し当たっては港に向ってる訳なんだが。盗賊捕まえたり山賊捕まえたり、違法奴隷保護したりしてた関係上、馬車の数が足りんのや馬車の数が。
なのでヘンリエッタ王女はネフェル王女と相乗りして貰う事にした。いや、だって、俺ん所に同乗って訳にゃいかんだろう。確かに俺、肉体年齢7才だし精神年齢アラフィフだから、どっち方面からでも王女達は対象外な訳だから、気にしなけりゃ良いっちゃ、気にしなけりゃ良いって気もするんだが、公称17才だしなぁ。流石にソレで密室で長時間一緒だと色々と拙いだろうさね。
いや、基本的に俺のキャンピングカーには家族の皆が居るし、王女の馬車だって、侍女さん等が同乗してるんだから、問題ない気がせんでも無いんだが、こう言うのは気にし過ぎるくらい気にした方が良いって場合が多いからなぁ。
コレは元王国軍にして天才剣士との呼び声も高かった、公爵子息のアルフレドから聞いた話なんだが、ある程度の私的なパーティーなんかは、まぁ、色々と若い子息がハッチャケられる手はずが整えられてる場合なんかも有るんだそうな。で、そんなパーティーなんかの為の暗黙の了解ってのがやっぱりあるらしく、参加者は基本的にソレを理解しているってぇ前提で招待されている訳なんだわ。
ただ、そう言った暗黙の了解ってのは、やっぱり、知る人ぞ知るって場合があって、それを逆手に取って、暗黙の了解を知らないご令嬢をハメる場合も、またその逆にご令息を嵌める時にも使われる場合ってのが有るってぇ話なんよね。
で、まあ、そう言った場合に手っ取り早く、型に嵌めるテンプレでも有るんよ。密室で二人っきり。
その場合に侍女の存在は度々居ない者として扱われる訳だ。まぁ、そもそも型に嵌めようとしてる訳なんだから『侍女も居るし大丈夫』からの『侍女は証言の信憑性が薄い』って感じで、まぁ、『傷つけられた』騒ぎにするって感じのなぁ。
それはそれとして、だから、向こうの馬車に侍女が居た所で、同じ様な論法で、『密室で二人っきりだった』ってぇ騒ぎ立てる事も可能なんよね。
だからこそ、例え馬車だったとしても、密室と勘定できる物に二人っきりになる訳には行かないんよね。
まぁ、気にし過ぎと言われれば、それを否定も出来んのだが、そう言った理由も有るんで王女同士で仲良くやって貰いたい所なんよね。
いや、すでに俺の内弟子扱いに成ってるネフェル王女の方は、今更感、半端ねぇんだけんどもよ。
一般的に異性の内弟子って時点でお手付き確実だと思われてる訳だし。もっとも、ネフェル王女の方は、ソレも織り込み済みっぽいけどさ。
取り敢えず、まぁ、俺が一方的被害を受けてる事への罪滅ぼしを兼ねて、ヘンリエッタ王女の世話、ヨロ!!




