テンプレートってのは、可能性としてよくある事だからテンプレに成るんよね
気が付けば三年目に突入して少し経って居ました。
今まで読んで下さって居る方々に感謝を。
そして、今後もお付き合いいただければ有難いと思います。
もう一度、『何故、こんな事に成っているのか?』って事を聞いてみた訳だが……
「おそらく、魔女派の者が動いているのだと思います」
「そうです!! このヘンリエッタ様は、当代一の聖女なのです!! それ故に、ヘンリエッタ様の御力を危ぶんだ魔女派共が、ヘンリエッタ様の御お命をこうして……クッ殺せ!!」
いや、死ぬなや。てか、当代一の聖女? 俺の知ってる中でも聖女って結構いるんじゃが? その中でも随一って事?
『【嘆息】恐らく『聖王国の国内で』と言う事でしょう。他国や他の大陸まで含んでいるとは思えませんので』
“元祖”とか“本家”みたいな感じの自称みたいな物か。何と言うか“自称”とか付けると、その後に(笑)が付きそうだよな。
いや、それでも国の中では随一ってのは本当なんだろうけんども。
……本当だよね?
「てか、『魔女派』?」
まぁ、魔女って存在は居るんだろう。この世界でどんな括りに成っているのか分からんが。そもそも魔法を使うから“魔女”って事な訳じゃぁ無いだろうし。そんな事言ったら、家のイブだって魔女って事に成るし、屋台のおばちゃん達も“魔女”って事に成る。
ただなぁ、ポニテ近衛騎士の言う通りだとしたら、弄ぶ様にヒットアンドアウェイを繰り返していた事の意味が分からんのだわ。
アレは、ヘンリエッタ様の力を危ぶんでってより、もっと他の……おそらく、あの目を見たからの感想だとは思うんだが、可能性だとか、希望を見い出してる様な? だとすれば、弄ぶ様な事をしてたのにも、何か意味が有ったってぇ事だと思うんだが。それも、その『魔女派』の人間にとって“希望”と成り得る様な、な。
「そうだ!! 奴らは、禁書の中にある『滅びの魔女』を崇拝している一派なのだ!!」
「うん? 『滅びの魔女』って何?」
「貴様に教えられる様なモノではない!!」
……まぁ、おおよそ言葉の響きからすれば、世界に滅びを与える様な“魔に魅入られた女性”って事なんだろう。多分。
そうなると、テンプレート的には『滅びの魔女』の力で、“この腐った世界”をいったん滅ぼし、選ばれし自分達が、新たな世界をってぇ所か?
そしてその『滅びの魔女』が実はヘンリエッタ様で、その力を覚醒させる為に“親しい者の死”とかってぇファクターが必要だぁとか、“他者を恨む事”での【悪堕ち】が必要だぁとかって話かな?
だとすれば、この時期に聖王国に行くってのは、ちょっと色々と巻き込まれかねないかなぁ。いや、でもそう成ると、むしろルティシア嬢が心配になるわ。やっぱり、向かわなくちゃだな聖王国。
てか、そうなると、この二人はどうするかな? 下手な所に行かせても、周囲を巻き込みかねんだろう。俺が考えてる通りなら、その『魔女派』ってのは、今の世界の人達に配慮なんざせんだろうし。
かと言って、俺達に同行させるってのも“敵”の本拠地に向かうって事に成るから拙いだろうし。そもそも、そこに居るのが問題だったから、こうして逃げて来てるんだろうしなぁ。
いや、俺がどうこう考えるより、本人達に聞く方が良いか。
「じゃぁ、その『魔女派』から逃げて……」
「一時的に身を隠しただけだ!」
「……身を隠してたのは分かった。で、アンタ等はこれからどうする?」
俺の問いにマリエルとやらの方が『もちろん、このまま暫く身を隠して』とかって言って居るのを遮る様に、ヘンリエッタ様が口を開いた。
「そちらに同行いたします」
えぇ……




