表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
735/1157

どちらも悪役っぽい事について

「俺は!! ……っ!!」


 ゴウッ!! ヒュシュ!!


 名乗る隙すら与えられずに飛んできた魔法を肩の【エクステンド】の【プラーナビーム】で迎撃する。やっぱりこう、腕の下を通る様に出てくる方が格好良いって気がするなぁ。いや、キャノン砲的イメージで形成されてるから、()()成ってるってのは理解してるし、咄嗟だとどうしても肩からの砲撃イメージの方が強いから故だってのも理解してるんだが、やっぱ、俺の中のロマンティズム(ゴースト)が『ちょっと違う』と囁くのよね。

 と、そんな事より判断が早い。少なくとも彼等にとっては、ここで介入する者全てが“敵”と言う認識な訳か。

 もっとも、突然上空から落ちて来た黒ずくめの全身鎧なんざ怪しさしかないだろうがね。


 ヒュン!! ヒュヒュヒュン!!


「ワンッ!!」

「アオン!!」

「ワオン!!」

「アンアン!!」


 魔法に次いで、間髪入れずに投擲された24本ものナイフを(ミカ)達が弾き飛ばす。

 その上で俺に一撃を与えた隙に逃げ出すってんなら、ただの痛み分けって事に成ると思うんだが、それすらせずに、こうして踏み止まっての追撃。(ミカ)達が()()()()()()()()()()って事は、恐らく弾いたナイフには毒が塗ってあったってぇ所か。

 よくよく見れば、刃の側面に溝が彫ってある。つまりは毛細管現象で毒が浸透する様に作られた、専用の品物。毒を使う事前提で作られたナイフを使ってるってぇ事は、暗殺やらを専門にやってる連中って事かよ。


 だとすると、逆に分からない、そんな連中が、手負いだったとしても、いや、手負いだからこそ、一気に止めを刺さなかったのか?

 甚振(いたぶ)る事にこそ、意味が有るってぇ事か?


「と!!」

『【嘆息】余裕が有る事は結構ですが、戦いに集中して下さいマイマスター』

「悪い」


 飛びかかって来た一人のショートソードを受け流し、柄で薙ぎ払うと同時に軌道を横から縦に。全く同じ軌道での攻撃に、本来なら一手遅れるんだろうが、ソレには気が付いてたよ、と。

 なので聖斧(ファティマ)を合わせて潰し斬る。

 さらにその後方から襲ってきていたもう一人は、バラキがインターセプトして地面に叩き付けた。と、その他の襲撃者はミカ達が警戒し【威圧】する。


 そうだな、問答無用で襲ってきてるってぇ時点で“敵”なのは確定で、向こうもそう思ってるんだろうから、全ては戦闘が終わってからか。


 チラリと追われていた側を見れば、既にこちらをも含めて警戒こそしては居るが、満身創痍と言った状態で、早々動くってのも難しい感じ。これなら、変に誤解して背後から飛びかかられる事を警戒する必要な無さそうだな。もっとも、まだ予備戦力としてラミアーとセフィが上空で待機してるから、突発的に襲い掛かられても、あの二人が止めてくれるんだけんどもさ。


 さて、こっちの戦闘力の一端を見ちゃった事で、向こうの動きが止まったが、しかし、引くってぇ様子を見せないって事は、やっぱり『目撃者は消せ』的な命令もされてるってぇ事かね?

 そうなると厄介なのは、下手に生け捕っても、自決される可能性が高いってぇ事だし、そもそも大して情報を与えられていない可能性も有るって事か。


「だとしたら、下手に恩情をやる方が危険ってぇ事だな」


 人の命を奪うって事には、未だにあまり慣れないんだがねぇ。けど、そうも言ってられんだろう。

 全員、即死させないと、下手に残った力で、もろとも自爆なんてぇ事に成ったら、こっちの命の方が危なくなる。


 いや、俺の身内だけならどうとでも対処できるんだろうが、な。それ以外の人間はなぁ。

 それでも一応の警告はしておかんとなぁ。俺の偽善者的精神衛生の為にも。


「一応言っておくが、事情をきっちり説明してくれるなら、命までは取らんよ? 誰か、話をしても構わないと言うものは居ないかね?」

『【歓喜】流石はマイマスター!! 完全に上から目線!! 圧倒的強者の物言いです!!』


 やかましいよ!! 俺も一寸黒幕っぽいとは思ったよ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ