さてさて、どうした物か
昨日に引きつづき、寝落ちていました。
少し考えも纏まらない為、短くなってしまいました。
遅く成った事と共に、申し訳ない。
【気配感知】を出来るだけ広げると、その端に走ってると思われる複数の気配を感じ取れた。多分だが、追う者と追われる者。
「これは、ちょっと厄介か?」
「どう、言う、事?」
「?」
追っている者と追われている者。単純にこれ、追われているから助太刀をすれば良いってぇ訳じゃぁ無いだろう。
追っているにしたって追われているにしたって、どちらにもそれ相応の理由が有るからだ。当然だが、単純に盗賊やら何やらに追われているってぇ場合も有るだろうが、もしかしたら追われている側が、何らかの犯罪を犯しているってぇ場合だってあるからな。
それ以上に、所謂“お家事情”ってヤツで、敵対派閥の二組だってぇ事も考えられるんよね。
ただ、俺はその両者の動きを見ながら、少しばっかり眉間に皺を寄せた。
「……何か、遊んでるっぽい動きだな」
「ワン?」
「ワオン!!」
追われている側は怪我をしているのか、お互いが寄り添っているかのような感じで、ゆっくりとした動きで移動してるのだが、追っている側は、包囲網は敷きつつも、甚振る様に寄ったり離れたりを繰り返している。
勿論、『遊んでいる』ってのは俺の感想で、もしかしたら、相手が完全に弱り切るまで止めを刺しに行かない、慎重な性格手場合も有るし、反撃が激しくて手を出しかねているってぇ可能性だってある。
だが、俺には、追っている側の動きに“絶対有利な者の驕り”の様なものを感じられたんよね。
正直な所、何らかの陰謀に巻き込まれそうな可能性が有るってぇ時点で、介入するのはリスクの高い行為ではある。
現状、聖王国へ向かっている最中でもある訳だし、あまり係り合いに成りたくはない。んだが……
「イブ、キャンピングカーの守り、頼めるか?」
何となくだが、追っている側のこの動き方が気に入らないんで、俺は、助けに行く事を決断し、イブにキャンピングカーの守りを頼む。
こっちはこっちで、俺達が望んだ訳じゃないが、随分と大所帯に成っちまってるし、見張らんといけん奴等もいるしな。
「ん!!」
「わ、わたしも残ってます……」
「ついてくよぉ~」
『ついてくぅ』
「あっ、師匠!! 私も同行して構わないですよね?」
王女か……まぁ、残してても結局係り合いに成るってのは同じなんだよなぁ。どうせ最終的に責任を負うのは俺なんだし。
「分かった、許可する」
「有り難うございます! 師匠!!」
そう俺が言うと、ネフェル王女は満面の笑顔を浮かべて、小さなガッツポーズをした。そんなに戦うのが楽しいかね? 俺は、どっちかって言うと、暴力はあまり好きじゃぁ無いんだが。
『【否定】それは嘘です』
「ダウトぉ~」
『さでぃすとのくせにぃ~』
何だよ皆して人聞きの悪い。俺は平和主義者なんだよ。




