何事もない日々
ここまでで力尽きました。
短くて申し訳ない。
この所、変な騒ぎもない事も有って、“扉”の探索が出来て居ないって事を別にすれば、割と穏やかな日々が続いている。
まぁ、王女の侍女衆が業務を手伝ってくれているってのも確かに大きいんだけんどもよ。それに、彼女らの下に付けた家のメイド達も、成長著しいんだわ。元スラムの孤児だったり、世を忍んで隠れ住んでたコボルトの一族だったとは思えん程の成長具合やね。
そもそも、領館でのお仕事も完璧って言えるくらいに熟達してるし、貴族の常識やら作法にも精通しているし、所作も文句ないレベルに至ってる。
まぁ、その辺りは鬼の聖斧さんのご指導ご鞭撻のおかげなんだけんどもさ。
もうそのお陰で、何処に出しても恥ずかしくない有能メイド達っぷりですわ。いや余所の領にはやらんけど。
……いや、余所の領に居る人間と良い感じに成ったって言うのであれば、祝福するけどさ。
それは兎も角、溜まっていた領地内の執務も何とか目途が付いた。これならヴィヴィアン連れ戻しても構わんかな?
マトスンの方は紙飛行機を作っては何やら色々と考えてる様だけど、実際に人間サイズ飛ばすって事に成ったら航空力学から知ってないと厳しいんで、紙飛行機だけ研究してても飛べる様には成らんのだよ。
そもそも、紙飛行機をそのまま大きくしても、紙じゃぁ耐久性が足りなく成り過ぎてまともに飛ばんか、空中分解する未来しか見えんのだわ。
まぁ、それはそれとして、後はあの二人の予算申請を吟味すれば、大体の緊急での決済は終了に成る。後は普通に執務に励めば問題なく業務は回る筈なんよね。
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家の領地に武者修行に来ているネフェル王女なんだが、こっちはこっちで順調に修行が進んでいる。いや、そもそも実戦経験が足りて無かっただけで、剣の腕自体はかなり良い方だった訳だからな。
そもそもの基礎はしっかりしていて、その上で、家の騎士達を相手にしている事も有って、変則的な動きにも対応できてる。
「そろそろ免許皆伝かね」
「え! そんなに私、ご迷惑をかける様な事を致しましたか!?」
ネフェルの頓珍漢な発言に、苦笑する。いや、何かご迷惑をって、むしろ免許皆伝を何だと思っているのか。




