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予想できた未来

 いや、この展開は予想して然るべきだったわ。俺は、俺自身の事を特に隠してる訳じゃない。そもそも、ここ、俺の領地だし、自分の領地で自分の事隠してるとか、意味分からないし。


「師匠が貴様如きに、愚弄される謂れなど有る訳無いのです!!」

「はっ!! 高々、貴族と言うだけで、偉い等と勘違いしている愚か者を愚か者だと言って、何が悪い!!」


 アイアンクローをしていた子供が領主(おれ)だって事が分れば、領主の館に来るのが必然で、館に来るのであれば、館に居る王女(もの)と出会うのも必然と言う訳だよな。


 そして、俺を尊敬する者と俺に憤って居るものとが出会えば、そこで起こるのは摩擦と諍い。うん。面倒臭いがって放置してたらさらに面倒な事に成ったってぇ事象の典型みたいなもんだわ。


 この場の一番の問題は、馬鹿騎士(リック)の常識と俺達の常識とがズレまくってるって事に、言い合いをしている当事者同士が気が付いていないって事な上に、多分リックはこっちの言い分なんぞ聞く気が無いって所なんだよな。

 てか、やっぱ中途半端は良くなかったなぁ。気絶したからって放置してたら、これだからなぁ。最後まできっちりやっとくべきだったわ。


「まぁまぁ、ネフェル王女、時間の無駄だから、後は俺に任せてくれ」

「し、師匠!!」


 領主館の真ん前で言い争いをしてる所為で、野次馬が集まって来ちまってる。てか、野次馬の集まるスピードが尋常じゃないんじゃが!?

 ほら、人が多くなって来たから、ミカにしろバラキにしろ興奮してテンション高く成って来ちゃってるじゃんか。


『【当然】マイマスターが厄介事に巻き込まれるのもこの街では有名ですから。特に冒険者上りも多いですし、こう言ったイベントが有ればすぐに集まるのも当然でしょう』


 何その共通認識。俺知らないんだけど!?


「やっと出て来たか! 貴族如きが、この俺を待たせるとは良い度胸だ!!」


 ……貴族如きて、さっき貴族と言うだけで云々とか行って無かったか? リック(こいつ)の中でも一応『貴族』=『偉い』って認識はあるのか? その割には酷く下に見てるけど……あぁ、いや、そうか、小国群でも貴族ってのは上位存在ではあるんだもんな。現状、それ以上に騎士が隆盛を誇ってるってだけで。


「……『盛者必衰の理』ってのを知らんのかね? 『おごれる人も久しからず』って言うだろう?」

「何を訳の分からん事を!! ()()()貴族が騎士を愚弄してただで済むと思うのか!!」

「すっげぇ思う。特に相手がお前なら」


 何と言うか、リックの中では騎士の方が貴族の上位互換っぽいみたいだけど、ソレ、他の国に言った時点で通用しない常識だってのは理解出来て無いんな。

 いや、言葉の端々に、その事は知ってるって感じのニュアンスは読み取れるが、それを実感できないってぇ所か。


「そもそも、何しに来てるんだか分からんが、難民ってぇ訳じゃないなら、とっとと帰れ」


 いや、本当は大体分かってるんだがね、絡むのが面倒以外何物でもないんよ。そもそも俺は移民をして貰いたいから受け入れをやってるんよ。その気もない挙句に、厄介事しか持ち込まんのだったら、本気でとっとと帰ってくれねぇかね? マジでマジで。

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