些細な事だけど放って置いたらダメなヤツ
また、寝落ちていました。先日、体調が悪い様な事を書きましたが、あの後熱を出してしまったので、やはり風邪をひいて居るっぽい様です。
それはそれとして、遅くなって申し訳ない。
バフォメットの言う胡散臭い連中は、具体的な行動ってヤツこそは起こさないものの、やはり色々と聞き回っているって事を各所の方面から報告をされる様に成っていて、ちょいちょい、そこはかとない不安の影をチラチラと感じちゃぁいるんだがね。
それでも小康状態に成って居るってんなら、他にやる事は何ぼでもあるんで、その事は頭の隅には置きつつも、優先順位の高いタスクから処理を進めて行く訳だ。
確かに今は些細な事かも知れんが、あからさまな“敵”ってヤツがいる状態で、そう言った違和感に無頓着で居られる程、無神経な訳じゃ無いんでな、出来る警戒はしておくに越した事は無い。
大概大きな事件の前兆ってのは、そう言った事だとは思うしなぁ。そう言った小さな積み重ねこそが重要だったりするってぇ話な訳だ。確か、ハインリッヒの法則だったか? 大災害の前にはちょっとした事故や油断や危険が積み重なってるって感じのヤツ。
『【質問】で、あの生ごみはどうしますか?』
「生ごみ?」
執務の区切りに、バラキをモフって一息ついてると、ファティマがお茶を出しつつそんな事を聞いて来た。
うわ、旨っ! 以前より更にお茶の入れ方が上手く成ってるのな!!
見本として俺と同じお茶を出されてたイブが、お茶を飲みながらも、何やら熱心にメモを取っている。これも、メイド修行ってヤツかね? そう言えば、ファティマは、イブのメイドの師匠だったか。
それはそれとして、生ごみって何だったっけ? 別に俺が料理とかってやってる訳じゃ無いんで、そっちの話じゃないよな?
因みに今、お茶請けとして出されているのは前世ではカップケーキとかって言われてたタイプの小さめのケーキなんだが、生地はふわっふわだし、上に生クリームで薔薇みたいなピンクの飾りが絞ってあるしで、見た目にも華やかで、目も口も楽しませてくれる一品に仕上がってる。これ、キャルが作ったらしいんだが、あいつ、お菓子作りの腕前を着々と上げてるのな。『好きこそ物の上手なれ』とは言うけど、既に前世のプロと遜色ない腕前じゃね?
あれか? パティシエールの称号とか送っといた方が良いのか?
って、話が脱線したな。えっと? あ~、アイツか?
「もしかして、今回の移民団で、最初に絡んで来た……」
『【肯定】ソレです。マイマスター』
確かあの時、ファティマがそんな風に評してたってな覚えが薄っすらとしてた様な気がするが……そう言や、俺、アレの名前すら知らんやん。
まぁ、良いか。
「で、アレが?」
『【報告】はい、どうやら、マイマスターの事を色々と嗅ぎ回って居る様なので』
……コイツもアレか? バフォメットの言っていた胡散臭い連中の1人って事か? いや、だとしたら、ファティマがこんな風に個別に報告はせんか。
「もしかして、この街で色々と話を聞いて回ってる連中とは別口って事なのか?」
『【肯定】そもそも、最初に入って来ていたと言う者達との接触も有りませんし、其方の方はこの街や、領地及び、マイマスターの評判の様な物を聞いて回っているようなのですが、アノ生ごみは、マイマスターの事だけを尋ねて回って居るようです』
「ピンポイントで俺の事だけ?」
『【追加】正確には“あの時出迎えた小僧”の情報の様ですが』
……あの時、俺、名乗ってたよね?




