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湾の向こうで動きが有ったらしい。ただし、魔族関係ないけど

 聖王国に居るルティシア嬢から、書状が送られてきたのは、不穏な入領者の目立った動きもないまま暫く経った日の事だった。


「大量入国の受け入れのお願いねぇ」


 大きな湾を挟んだ向こう側である聖王国のさらに隣国は、小さな国が数多(あまた)林立していて、群雄割拠って感じに争い合ってるんだそうな。

 家の領は、そう言った戦火の中で故郷や家族を失った難民達を聖王国の公爵家の令嬢であるルティシア嬢と連携して受け入れている訳なんだが、今回、結構大量に、その難民が出てしまったらしい。


 前までは、聖王国で、そう言った難民の入国に難を示していた事も有り、それらを住民不足だった家の領地へと、誘導していた訳なんだが、少し前から聖王国でも、難民の受け入れを行っていた筈だ。

 それ故に、家の方への難民の数も少なくなっていたんだが、ここへきての大量の難民である。


「また、小国群の戦争が悪化してるそうです。ただ、その内の幾つかの国は、既にある程度の強国に併呑されていて、既に、3国がお互いに睨み合っている状態だったとか。おそらく、その内の2国が動いたのでしょう」


 ……三国志かな? いや、それ程三国志は知らんのだが。少なくとも劉備ガ〇ダム、関羽ガン〇ム、張飛ガンダ〇位なら知ってるぞ、と。あれ? 何か違ったか?


『【嘆息】確か聖王国も事態の収拾に動き始めてたんじゃなかったのデス?』


 それな。この状況をどう捉えるべきかねぇ。小国群の方が聖王国の静止程度じゃ、その野心を押し止める事が出来なかったが故か、それとも、聖王国の影響力がそれ度に低くなったが故なのか。


 ただ、聖王国って、確か各国に光教会の司祭やらを送り出してる関係上、どの国も大なり小なり影響は受けてる筈なんよね。

 何せ、所謂【回復魔法】ってのは光教会の司祭や修道女じゃないと使()()()()って事に成ってるし。


 いや、実際、その【回復魔法】を含めた【神聖術】ってのは、光教会が、その習得技術を独占してるんだけんどもよ。


 冠婚葬祭と医療を握ってるってのは、ぶっちゃけ強いよなぁ。

 まぁ、家の領地、まだまだ新興の領地だし、ポーション関連が強いし、聖王国拒絶されたが故にこの領地に入植するしかなかった元難民も多いってぇ関係上、他の領地より光教会の権力(ちから)は弱いんだけんどもさ。


 ポーション関係についてはまぁ、ヴィヴィアンに感謝だわ。その辺りのレシピを秘匿する事なく公開してくれてるしなぁ。

 それでも、全く影響力が無いって訳じゃ無いし、冒険者の中にも、修行の為に冒険者家業に身をやつしてる、光教会関係の司祭とか居るしなぁ。


 まぁ、それでも光教会とは距離を取ってる本当の理由はと言えば、俺が他者を回復させる(すべ)を有してるからってのと、俺自身とラミアーが、光教会にとって“神子”と成り得る“白子(アルビノ)”だからってぇ事も有る。


 当然だが、【回復魔法】を独占している光教会にしてみれば、別の手段で回復する術を持ってる俺は、商売敵で、ある種の脅威になる。


 その上で光教会の【禁色】である『白』を生まれつき纏う俺達の存在は、神輿として祭り上げるか、秘密裏に始末するかの二択にしか成り得ないだろう。

 特にラミアーは、見た目こそ、ただの超絶美少女にしか見えんが、その実、吸血鬼ってぇ魔物である訳だからなぁ。

 その事実が向こうに知られれば、抹殺対象に成るのは確実だろうさね。


 まぁ、ラミアーがその辺の有象無象に負ける様な事に成る状況ってのは思い浮かばんがね。

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