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不穏の種は既に街の中に

「いや、最近、どうも胡散臭い連中がチラホラ、とね」

「胡散臭い?」


 態々声を潜めて、俺に忠告して来たバフォメットに、思わず、『いや、胡散臭い筆なのは魔族のおまいじゃね?』とか思ったが、どうやら、真剣な声色のバフォメットの言葉に、少し眉を顰める。


 正直な話、心当たりがない訳じゃぁ無いんだ。あの、暗躍してる魔族の事も有るし、最近、【邪神】の降臨も水際で食い止めてるしな。


 それでなくとも、王国内にもニグマス侯爵一派みたいな奴らも居る。

 諜報活動的な部分では、ルールールーの一族に助力は貰ってるし、コボルト達も協力してくれている。ただ、それ以上に、俺と敵対関係にあるであろう相手の中に厄介そうな輩がゴロゴロしてるってのがね。

 ほら、魔族で言えばオンディーヌとか。水のある所にどこでも移動出来たり、流言飛語を流布させる事が得意だったりと、色々厄介ではある。

 ただ、あくまで、そいつ一柱(ひとり)しか存在していない関係上、あまり広域にそう言った噂話を広める事が出来ないってのが救いだって事と、別にそいつは暗号だとかの解析のエキスパートじゃぁ無いって事だろうな。聞いてる限りは結構、短絡的な性格らしいし。

 効率的に動いてるってぇ時は、黒幕に成っている魔族の命令で動いてるってぇ場合だけらしい。


 何でもゴモリーの話によれば、良い様に使われちまってるってぇだけっぽいし。いや、やってる事考えれば、あんまり看過も出来ない様な気もするが、きっちり『わからせ』てやった後はゴモリーに丸投げでも良いって気もする。


 獣人の王国の疑似ゾンビの件は……言っちゃぁ何だが、半分は自業自得気味な部分も有るしなぁ。だから同情しないって訳でもないが。


 ただ、オンディーヌの事はゴモリーにも頼まれてる事だからなぁ。


『【不満】高々魔族ごときの事など放って置けば良いと思うデス!!』

「いや、流石に獣人の王国の時には世話になったからな」


 同じくらい迷惑もかけられたけんどもよ。よくよく考えれば【邪竜】の時も手伝ってはくれてるんだよな……それ以前に魔人族国傾けかけたのもコイツ等だったけど……


 あれ? 本当にお願い聞いてやる必要ってあるのか?


 いやいや、筋は通そう。今回、バフォメットもこうやって協力してくれてるみたいだし。うん。単に、絶望的、壊滅的に、存在してるだけで人類にとって迷惑ってだけで、決して性悪って訳じゃぁないんだよな。

 扱いを誤らなければ、人類と共存も出来なくは無い様な気もする様な気がしないでもないし。


「……胡散臭いって連中に関しては、俺も気を付けておこう」


 何せ黒幕の魔族は、人間心理を突いて利用する事に長けてるっぽいからなぁ。普通に見えてる人間が相手の手先って可能性も有るって辺りがなぁ。


 取り敢えず、また、ルールールー達とコボルト情報部には協力を願うしかないって事だな。

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