後始末までがおかたずけ
結論から言えば、24時間持たなかったよ。娘の前であらゆる穴から液体垂れ流したんで終了したった。
そんなもん被るの、俺も御免だし。
これが痛みから逃れる為に態々やったんだとしたら、ある意味凄いとは思う。尊敬とか一切ないがね。娘さんもドン引きしてたし、親としての尊厳とか丸潰れだよね。知ったこっちゃ無いが。
まぁ、娘さんの方も娘さんの方で、ポッチャリさんには正座は鬼門だったらしく、最終的にはあられもない姿に成ってた、らしい。俺は見てなかったが。
一縷の憐れみとかって理由では無く、俺との接点を無くす為に、多少でも向こうに有利に働きそうな事は排除しようって方針らしい。
要は『こんな恥ずかしい姿見られちゃったら、もう、お嫁さんに……』って戯言言う前に隔離ってヤツだな。
『【得意】天網恢恢疎にして漏らさずっデスゥ!』
……一寸、違う気もするが、てか、今回の事で、ジャンヌは結構腹に据えかねてるみたいやね、何と言うか令嬢に対して当たりが強い。
『【当然】妄想お花畑しか取り柄の無い様な努力も知らない子狸如きが、オーナーの手を煩わせようなんてちゃんちゃら可笑しくて臍で茶を沸かすのデスゥ』
……いや、まぁ、良いか。
後は、どこぞの侯爵家子息が騒ぎ立てっちまった所為で、少しばっかり、俺の醜聞が広まっちまってるかもしれんのをどうカバーするかなんだよなぁ。まぁ、その辺は第二夫人とルーガルー翁を中心に、社交界隈に噂をばら撒いてもう事で、火消しするしかないか。
こう言った、足を引っ張る様な重箱の隅を針で突くが如くな些事を大げさにして、足を引っ張る様な者が居るのが社交界らしいんで、些細なミスもしない様に振舞うか、些細なミス位、揉み消せる様な影響力を持つか、些細なミスで足を引っ張るような輩を機転でちゃぶ台返し出来る知恵を持つかしなければ、貴族社会を悠々自適に泳ぎ回る事は厳しいらしいんで……
それらが出来なければ、その先にあるのは終身日陰者に成るか破滅するかって事だそうな。怖いやね貴族社会。
人には向き不向きってのが有るから、その辺りの情報戦は、出来る人に任せる事にするのが吉ってもんだと思うんよね。
「それに、こっちも迷惑を掛けられてるんだし、色々協力はして貰うけど、良いよね? お二方」
「私で良ければ……」
「はい……何なりとお申し付けくださいオーサキ伯」
こうして、侯爵家子息と子爵と言う味方も手に入った事だし。
「下、僕?」
「はっはっは、協力者だよイブさん。向こうだって辺境伯に伝手が出来るんだからWin-Winだと思うよ? ね!」
「はい、そうですね……」
「……オーサキ伯の言う通りでございます」
ほら、侯爵家子息も、子爵も快く頷いてるじゃぁないか!




