お前の罪を言ってみれ
「ひいいいいいぃぃぃぃぃぃ!!!!」
『蛙の子は蛙』と言う諺がある。ちょいちょい『え? 蛙の子はオタマジャクシでしょ?』ってぇツッコミが入るアレだ。
あれは『どんなに違っているように見えても、育って行く内に親に似た所が見えて来る』ってぇ意味だから、オタマジャクシに成ってるんで合ってるんよね。
んで、今俺達の前でプルプル震えてる金髪の子狸……もとい、ペンデルト子爵令嬢の……何だっけ? 何とか―ニャ。
アレだね、狸の子は狸だったってぇ話。何と言うか、“実は親に似ず美人だった”とかってぇ展開ではなったわ。もっとも、美人だったとしても『どうこう成る』ってぇ事は無いがね。
引き籠ってたて話だったから、もっと精神的に参ってるかと思ってたけど、結構、大丈夫そうだったわ。
で、令嬢がここにいる理由な訳なんだが、まぁ、ジャンヌが連れてきました。終わり。
うん。侯爵家子息があまりにもふざけた提案しやがったんで、ジャンヌ激おこぷんぷん丸。けど、その発言をした本人は俺が絞めっちまったから、ジャンヌさん、その原因となっている令嬢を引き摺り出しに行っちゃったらしい。
「ひいいいいいぃぃぃぃぃぃ!!!!」
そんでまぁその娘さんなんだけんどもよ、薄々、違和感は感じてたらしいよ? でも、今の幸せを手放したくなかったんで、目を瞑ってしまったんだそうな。
取り敢えず、事情聴取しつつもネタばらしも完了。
ただし、お騒がせしたのも確かなんで、ご令嬢は正座で反省促し中。まぁ、正座は背筋伸びるし、姿勢も良くなるから良いんじゃね?
で、今はこんな事をしでかした本人達を放置してた子爵さんもお仕置き中。監督不行き届きだし。
本来なら説得して諫める予定だったにも関わらず、余計な事して騒ぎを大きくしたメイド長は、イブさんが『洗濯機の刑』に処した。水球の中でグルングルン回すアレだね。
人によっちゃぁ楽しいアトラクションにもなり得るスペックを持った魔法だけど、メイド長は耐えられんかった様だ。刑執行直後にオートリバースモードに移行してた。淑女として再起不能かな? 南無ぅ~。
で、子爵さん本人は今俺がお仕置きしてる訳だけど……
「アレだね、絵面が地味だね」
ギリギリと両手両足を固めながら、本人の胴体も強制ブリッジさせてるから苦しかろう。ただ、それ以外は動いてないけど。
『【嘆息】サブミッションはかけ続けてる限りは相手にダメージを与え続けられるのデス。ただ、“動き”と言う一点を見れば、殆ど無いのデス』
吊り天井固め。身体の固い子爵さんには効果てきめんですわ。地味だけど。
「ひいいいいいぃぃぃぃぃぃ!!!!」
「はっはっはっはっ!! 下手すりゃ全面戦争だったのだよ? これくらいは耐えて見せてくれ給えよ? チミィ」
悲鳴が出せる内はまだまだ余裕があるよねぇ。
取り敢えず、24時間は耐久して貰うんだからねっ!




