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事情を聞いたった

「申し訳ありませんでしたぁ~~~!!!」


 俺と国王陛下(セルヴィスおじさん)、ついでにアルティナスの眼の前で、這いつくばって謝りまくってるのは金髪? 金髪……う~ん。本人的には金髪、なのか? うん、ずれてるから、おおよそ地毛じゃぁ無かろうなって感じに。

 元々の色には合わせてるだろうから、多分、金髪だったのだろう小太りなオッサン。

 ずれてる部分が気になりまくって、謝罪の言葉が頭に入ってこないんだが?


 それは兎も角、子爵さんらしいよ? ペンデルトさん。つまりはペンデルト子爵さんで、件の令嬢のおとっつぁん。


 俺的にはどうでも良いんだけど、俺に文句を言って来たアルティナスは盛大に顔を引き攣らせてる。


 俺の婚約者云々ね、言ってみればまぁ、騙りだった訳なんよ。悪い言い方をすれば。件の令嬢さん、ミミーニャさんとか言ったっけか? その娘さん、【ドラゴンスレイヤー】の大ファンらしいよ? ってか、【ドラゴンスレイヤー】の物語って、吟遊詩人の定番に成ってるらしくて、あっちこっちで歌われて居るだけじゃなくて、何か物語の本とか出てるんだとか。


「何それっ!! 俺、知らんのだがっ!?」

「非公式のな、同好の士で読まれている物だとか聞いたな」


 知っているのか国王陛下!!

 いや、それ以外にも、何か短編詩とか有って、その朗読会とかまで有ったりするらしい。


「え? 何で? 何でそんな事に成ってんの!?」

「貴様は、自身の行動を少しは顧みて見よ」


 いや、色々やらかしてるってぇ自覚はあるけんどもさ。だとしても、そう言った冒険譚って、物語的に数年も有れば廃れるもんじゃねぇの?


「次から次へと話題に事欠かんだろう? 貴様の場合」


 俺の混乱さ加減を読み取った皇帝陛下がそう言った。うわぁ、心当たりしかないじゃん。てか、その話題に成る様な依頼だしたりしてんの国王陛下じゃんね!


「因みに貴様を話題に挙げている大本は公爵の第二夫人だそうだぞ? 貴様の後見人の」

「あ、はい」


 全て身内の犯行だった。


 それは兎も角、そのご令嬢、まぁ、俺と言うよりその物語に聞く【ドラゴンスレイヤー】の大ファンで、おとっつぁんにまぁ、婚約者って言うか、お近づきに成れないかって、相談したそうなんだわ。

 たださぁ、俺、新年式とかぐらいしか社交界って出て無いし、基本的に夜会の類も開かんやん? なんで、接点とか作れなかったらしいんよ。


 で、娘にはせっつかれる、けど、接点とか作れない。そもそも、結構年食ってから出来た一粒種だったんで、まぁ、甘い所も有るし、嫌われるのも嫌だったおとっつぁん。

 色々考えた挙句、出した結論が、『そうだ、手紙で交流してる事にしよう』って事にしたんだと。


 『でも、本人を騙るのも何だから、それっぽい感じで』って事で【ドラゴンスレイヤー】って名称は出さず、件の物語やら詩集やらの人物像から匂わせる感じで。


 で、そんなペンフレンドを続けている内に、何となく両想いっぽい雰囲気に成ったとか成らなかったとか……


「俺、無罪だよね?」

「……」


 何とか言ってくれませんかね? 侯爵子息さんよ。

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[良い点] 供給の多すぎる公式w
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