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後出しジャンケンって、どうにも腑に落ちないんよ

 俺の褒賞についての発表と表彰については、新年式に他の貴族連中と一緒に一括でやるって話で。いや、まだ2ケ月近くあるんじゃが?

 王都の屋敷を確認した後、一回領地の方に戻ろうと思って、その旨を国王様(セルヴィスおじさん)に連絡入れたら、いつもの様に裏ルートで呼び出された。


 通用口に詰めてる兵士が俺の顔を見るなり一礼して入り口を開ける。なんて言うか、もう何時ものやり取り過ぎて顔パスに成っちまってるんだけんども?

 まぁ、それだけ俺が王城に通ってるって事でもあるんだろうがさ。

 いや、考えて見れば、辺境伯が顔パスに成る程、通用口を使ってるって可笑しくね?


 まぁ、良いけど。何時もの如くの応接室で待っていると、左程も経たずに国王様が御出場。フットワーク軽過ぎでね? 他の貴族とか、平気で1ヶ月とか待たされるって聞いてるんだけんども。いや、謁見するのになぁ? その間は王都に持ってる屋敷で呼び出し掛かる迄待機してるらしい。


 ……俺が王都に屋敷構える必要性感じんかったのって、国王様の所為も有る気がするの。


「貴様は少し働き過ぎだと思うのだ。折角文官も出来たのだ。領地の事は一旦忘れて、少しは羽根を伸ばしたらどうだ?」


 入って来てソファーに座り、お茶で口を湿らせると、国王様は、そんな事を宣った。


「国王様がそれを言いますか」


 文官くれんかったクセに。てか、文官が来てくれたタイミングだからこそ、領地で連携を強化せにゃ成らんのでは無いのか?


「……何か他に有るんですね? 厄介事が」

「む、うむ」


 なぜ態々、早目に呼んだり、領地に帰さない様にしてるのかとか思えば、そう言う事らしい。


「貴様に前に内戦の仲裁に行って貰った国が有っただろう」

「仲裁って言うか武力介入って言うか」


 力見せつけて、『家の国に逆らったらあきまへんでぇ』ってなってな事を“わからせ”した国なぁ。


「その国の王女が帰って来るらしくてな」

「……あそこに居たのが全員って訳じゃなかった、と?」

「うむ、武者修行に出ていたらしく……」


 えっと? 王女って立場から聞こえちゃいけないワードが出て来たんだが? なによ『武者修行』て。いや、武者修行自体は知ってるねんで? 武者修行って物の意味もなぁ。


 ただ、“王女”と“武者修行”の二つのワードが結びつかないってだけで。

 これが、“姫将軍”とかだったなら、華麗にスルーして、芸術点3点も貰った上に『そんなもんかな?』ってな感じに納得した様なしてない様な感じにごまかせると思うんだが、“王女”だからなぁ。


「それで、家族に貴様の事を聞いて、“是非とも会ってみたい”、と」


 ねぇねえ、それって、御礼参り的な何かじゃないよね?


 まぁ、何にせよ、大体国王が悪い。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 大体国王様のせい! 胸筋動かした衝撃波で軍隊吹き飛ばすオーガもとい王女様とか想像しました(・∀・)呼吸する度に口から蒸気出てたり。
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