数の暴力は有効なんだわ
申し訳ありません。
今回、遅くなった上に、少し短めです。
時折襲って来る冒険者疑似ゾンビは、聖弓が対処し、それ以外の疑似ゾンビをセフィが捕獲しては治療を繰り返す。
治療した市民は、ラミアーが【瞬間移動】で城内へ。ただし、自分じゃなく他人を飛ばすのはひどく疲れるらしく、その都度、俺から【プラーナ】を補給している。
うん、何と言うか周囲の視線が痛いのは気のせいではない筈だ。だって、ラミアー、この状態でも俺の首筋から【プラーナ】補給してんだもん。舌先チロチロ付きで。ゾワッとするからやめてくれ、マジで。
「むぅっ」
「ワン?」
「アン! アオン!!」
『む~……』
後、4人から不穏な気配が漂っているんだが?
「ふふん?」
ラミアーもラミアーで、何でそう煽る様にドヤ顔晒すかね? 今の状況考えて? いや、マジでマジで!!
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もう、どれ位こうして居るのか、気が付けば日も傾き始めている。
未だ蠢いている疑似ゾンビの姿は多く、魔導師団団員の皆は、すでに【魔力】を使い果たし、ラミアーに城内へと送り返された。まぁ、【魔力】回復には、飯食って寝るのが一番だしな。
結局残っているのは無尽蔵の【魔力】を持つイブと聖武器’S。それと、やはり膨大な【プラーナ】を持って居る俺と、俺から【プラーナ】を吸い上げられる魔物’S。
犬達は、無尽蔵とは言えないが、それでも俺に次いで膨大な【プラーナ】が有るっぽいが、それでも少しバテ気味に成っている。
ただ、回復も早いっぽく、さっきまで突っ伏していたバラキが既に復帰してたりする。
意外だったのはウィキシュ。フラフラになりながらも、ここに残って、未だに【魔力】のこそぎ落としを続けているんよね。
正直、色々と遺恨も有るだろうと思ってたんだが。イブに負けてから、めっきり口数も減ってたようだったし。
『【想像】恐らく、個体名【イブ】に負けた事で、慢心が無くなり、気を引き締めていたのではと愚考するのデス』
あぁ、そうとも取れるのか。正直、不貞腐れてるだけかと思ってた。
まぁ、それは兎も角、日が暮れているからと言って、疑似ゾンビの攻撃が止まる訳もなく、むしろ、疲れ知らずの特攻野郎〇チームこそが、こちらの真骨頂だと言わんばかりに、城への攻撃は勢いを増している……A〇ーム?
てか、拙いね。いくら【魔力】無尽蔵だと言ったって、結局、疲労は溜まって行く。その証拠に魂を浄化する時間が次第に伸びて行ってる。
まぁ、それに関しては俺だって、そう変わるもんじゃねぇんだがね。【プラーナ】有限だし、何度俺が【プラーナ】不足でオチた事が有ると思ってるんだ。
ただ、それでも途中で止まろうと思わない。こうやって俺達が外に出る事で、城内の方々には無理を強いている訳だからな。有効な撃退手段である【純魔力】放出を止めて貰うと言う手段を用いて、だ。
下手に攻撃を与えてしまえば、魂を削って復活されっちまうからなぁ。




