意外な事実を
色々とあった所為で、ここまでしか作業が出来ませんでした。
申し訳ない。
23/11/12
説明不足だと思われる表現の部分を修正しました。
この事によるストーリーラインへの影響はありません。
無詠唱で雷を落としまくる白狐の攻撃をイブは文字通り、ヒラリヒラリと華麗に躱して行く。
「狐の方は何となく理解したけど、イブの方は、アレ何?」
マジでマジで。何で背中に翅生やしてんの?
そう思って、ジャンヌの方を見ると、ドヤ顔してる雰囲気で言った。
『【得意】アレは、個体名【イブ】が、オーナーの空中移動を再現する為に開発した、新魔法デェス!!』
パードゥン?
『【再現】アレは、個体名【イブ】が、オーナーの空中移動を再現する為に開発した、新魔法デェス!!』
あ、うん。聞き違いって訳でもなかった。再現? 俺の空中移動を?
いやいや、待ってくださいよぉジャンヌさん。俺の空中移動は、言うなれば空中歩行ってか、空中疾走って言うのが妥当な方法で、つまりは強化された脚力によって、半ば強引に空中を走ってるってぇ状態な訳だよ?
ヒラヒラと翅で飛んでるイブのソレとは、見た目からして違いますやん。
グルルっと唸る、白狐が大きく息を吸い込むと、次の瞬間、大きく開いている口の周囲の空気が歪み、そこから発せられた“音”が空気を切り裂いて、イブに迫る。
イブは体を丸める様に縮こまると、その体を翅で守る様に包んだ。いや、実際、守る為だったんだろう。白狐の“音”は、球形にイブの体を包んだ翅の表面を滑る様に受け流され、彼女の後方へと流れ散る。
恐らく周囲で見守っている他の魔装師団の団員を護る為であろう防御結界にそれが当たり、轟音と共に結界が揺れた。
どんだけの威力やねん!!
と、それをしのいだイブの方も、返す刀で【詠唱破棄】での【ファイアランス】を放つ。だが、白狐は尻尾を振って、それをかき消した。だが、それでも威力は殺しきれなかったのか、苦痛にその顔を歪ませ、距離を取った。
イブは、追撃とばかりに白狐に【ファイアランス】を打ち込むが、距離を取ったおかげか、それは全て避けられてしまう。
「いや、ウィキシュの方も何で【無詠唱】とか出来るんだ?」
『【予測】多分、魔物は呪文詠唱とかしないからデス』
「あん?」
……ああ、そう言う事か、イメージによって自身を化け狐だと騙してるウィキシュは、己を魔物の狐であると思い込んでるから、魔物の狐と同じ行動がとれる。普通、魔物が呪文なんざ詠唱などしない。だからウィキシュも同様に無詠唱での攻撃が出来る……と言う訳か。
だとしてもその能力は異常だって言える程に高いんだけんどもよ。もっとも、それを言ったら、そんなウィキシュと同等に戦ってるイブも、とんでもないって事に成るんだが。
球形の翅で、自身を包み込む防御形態は、効果時間が短いのか、既に機動形態とでも言うべき翅の状態に戻っている。
まぁ、球形の状態で、地面に転がっているだけだと良い的にしか成らんから、機動を重視するのも分からくは無い。
俺には詳しくは分からんが、相手の魔法と接触してる時に、【魔力】も消費してるっぽいし、おそらく避け回る方が【魔力】の消費は少なくて済むんだろう。そう考えると防御形態をずっと継続し続けるよりは、機動形態で避ける方が【魔力】コスト的に良いのかも知れんな。




