そしてソレは始まる
色々とあり、ここまでしか書き上げられませんでした。
短くて申し訳ない。
こっちの準備が出来ていようといまいと、状況ってのはどんどん進んで行く訳だ。
サイレンが、魔人族国まで、獣人の冒険者をメインとした市民連中が、暴徒と化し、城の兵士達との武力衝突へと発展したって情報を俺達にもたらしたのは、いつもの練習を終え、夕食にを取っている最中の事だった。
「『ついに』と言おうか、『ようやく』と言おうか」
『【残念】むぅ、完全に【魔力】を削ぎ落す方法が確立出来ていないのデス』
まぁ、そもそもごり押ししか方法が無かった訳だからなぁ。【魔力圧縮】も上手く出来て居なかった所だし。
「ぬぅ、もう、ちょっと、なの、に」
「……えっと、それは【魔力圧縮】の事か?」
俺の問いに、イブがコクコクと頷く。ジャンヌは『やっぱり無理でした』みたいな雰囲気なんだが、イブ的には、あと一歩の所まで来てるって感じなんだ?
だとすると、本当にあと一歩のところまで出来てるのかもしれないな。
『【困惑】でも、今まで【魔力】を圧縮できた者なんて居なかったのデス』
「常識ってのは、一部の天才によって書き換えられるなんて事は、往々にして良くある事だからな」
確かにジャンヌには数百年って言う、知識の積み重ねが有るんだろうさ。だけど、そう言った物を一瞬で飛び越えっちまう、“天才”ってのも実際存在するんよね。
そして、イブはその“天才”だ。それもすこぶる付きの、なぁ。
なら、それは出来るって、事だろうさね。
『【無念】なら、オーナーが想定してた高圧洗浄機の再現も出来てたかもしれないデス。そうなれば【魔力】を根こそぎ堕とせてたかもしれないのに!! デェス!!』
「根こそぎこそぎ落とす事に執着するんな。2、3割程度落とせれば、相手の命令も解除されるんだろ?」
6割方【魔力】が魂と混ざって無かったら、ゾンビとして支配できないんじゃなかったっけ?
『【肯定】確かにそうではあるデス。でも、【魔力】なり【魔力痕】が残っていると、それをマーカーにして、再び魔力を注がれて、再度ゾンビ化する可能性があるデス』
「え? マジで!?」
それは初めて聞いたな。




