やって来た事はちゃんと実に成っていた
またしても寝落ちをしてしまいました。
疲れ気味なのは分かっていたので気を付けてはいるのですが。
遅くなって申し訳ない。
兎に角【魔力】を扱える人員が必要だって事で、イブさんも召喚。魂に混ざっている【魔力】の削ぎ剥がし要員として、ジャンヌと一緒に【魔力操作】の特訓をして貰っている状況。メイド姿で。
「……イブさんは、なんで魔人族国魔まで来て、メイドをやっとるのかね?」
「修、行」
……何の? メイドの? 何の為に? ちょっとイブさんの思考が読めない。いや、ちょっと前から何を考えてるのか読めない事が多く成って来てたけんどもよ。最近は殊更なぁ。
これは、あれか? 思春期の娘を持つ父親の苦悩ってヤツか? そして、娘ってのは苦悩する父親とは逆に、親離れしてくんだろうなぁ。いや、娘は娘で葛藤が有るんだろうけんどもさ。
まぁ、それは兎も角、イブとジャンヌが【魔力】を引き剝がしてからが俺のお仕事。傷ついた魂を【プラーナ】で直しマッスル。
って言っても、やってる事はエネルギーの補充の様な物なんだがね。魂の波長に合わせて【プラーナ】を調整して後は魂が自ら治って行く様に誘導してやるだけの簡単なお仕事。
『【嘆息】ソレを“簡単なお仕事”と言ってのけられるのは、オーナーだけデス』
「って、言っても、やってる事は何時もと同じだからなぁ」
うん。何時もと同じ。いや、何時もよりも“根源”に届かせては居るが。
俺の思っていた通り、そもそも【プラーナ】自体が、魂から派生した生命力に近しい力な訳だ。だったら、それを研ぎ澄ませ、より純粋な物に近付ければ、魂にも作用できるんじゃないだろうか? って、考えたんよ。
まぁ、結論から言えば、ソレは正解だったらしい。
【プラーナ】をより、純粋な物に磨き上げる為に、余計なモノをひたすら漉して研いで行く。
いや、言葉にすれば簡単だけど、何時も俺が攻撃力を上げる為に、【プラーナ】をドロッドロになるまで濃く圧縮するのとは逆と言うか、いや、濃くしながらも、余計な分を研ぎ落して行かなけりゃいけない作業ってのは、ひたすらに精神力を使ったわ。
邪念は元より、単純な“生きよう”とする意志すら不純で、生命に対する渇望みたいな、本能と言った物も不要で、ひたすらに純粋に、【生命力】と言うか、いや、その“力”と言う概念すら研ぎ落した先の、ただ、そこに有る“生命”。そこまでいかなければ、魂にまでは届かない。いや、この場合、『魂のエネルギー足り得ない』と言った方が良いのか。
まぁ、送るべき物を【プラーナ・オリジン】と言うべき物にまで昇華はさせてるんだけんども、それを送り込むってぇ事自体は、もはや慣れた作業にまで成ってる、【プラーナ】の注入と言う行動な訳で、既に意識せずとも行える程に反復し尽くして、もはや機械的な反射で行える行為な訳なんだが、その事が、【プラーナ・オリジン】の純粋さを損ねずに、魂へと送り込めるコツと言うべき物だったとは、何が幸いするか分からんね。
ブートキャンプで鍛えた甲斐が有ったわ。うん。
『【嘆息】OHANASHIブートキャンプは、むしろオーナーが鍛える方だったのデス』
うん、そう言う側面が有った事も否定はしない。




