お食事処
全員が注文を終えた様で、キャッキャと談笑しながらこっちへ歩いてくる。出来上がりまで3ヶ月程掛かるとかで、現物はエリスが俺ん所に送ってくれるらしい。
あれ? 一国の女王、パシリに使ってるんか? 俺。
「ウフフ、出来上がりを楽しみにしててね? トールちゃん?」
ここでツンデレって逆の事言うと、駄目な選択肢だ。俺、知ってる。
「はい、期待してます」
……どうやら正解で合ってたらしいな、第二夫人が、嬉しそうに微笑んだ。これにはジョアンナさんもニッコリ。
「わたし、も?」
「あ、あの、わたしも見て貰え得ると、嬉しいです……」
「あたしも見せるよぉ」
『むふん!』
あ、イブ達もなんね。何か目がキラキラしてるし、やっぱりこっちも同じなんだろうな。
「うん、期待してる」
うん。キャッキャと嬉しそうだ。これはあれか? ここではファッションショ-は行われなかったが、後日屋敷でって事か? 時間の引き延ばしに成ったってぇ事かぁ。いや、不満などないですよ? ええ、ちっとも。
『【絶望】ボクは無理だったデス』
そりゃ、おまいの服の様に見える部分、本体の一部だからな。大丈夫だ、犬達も同じだから。
『【不満】あまり、慰められてる感じがしないデス』
気のせいだ。てか、ファティマが戻ってきたら、次はおまいがバージョンアップなんだから、その時は格好も変わってるんじゃね?
『【希望】それにワンチャンデス』
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予想通りというか何と言うか、洋服店で時間を使ったんで、出て来る事にはすっかりお昼の時間。まぁ、そう思ってたから、近くにあるレストランを予約してたんだけんどもよ。
『大体昼頃って事に成るけど大丈夫?』って聞いたら『喜んで!!』って返ってきた。どこの居酒屋かと。いや、この世界に居酒屋なんざ無いんだがね。あるのは酒場くらいか?
色々と交渉の末、ミカ達も入って良いって事に成ったのは嬉しい所。もっとも、流石に正面からって訳にはいかなかったが。ただ、この店、結構、相談事何かにも使われるって事で、正面を使わないで、ってどころか、誰にも出会う事も無く出入りできる入口なんて物が有るらしい。
成程、洋服屋に貸衣装が有ったりするのはその為かね。いや、あんまり深くはツッコまんが。俺達にとっても都合が良いし。
そんな訳で、ミカやバラキ、ウリとラファも含めて皆でお食事。
食事自体はコースメニューなんで、ランチのコースで、後は、随時追加って事に成ってるんだけど、ここの面白い所は、メニューに料理名があって、それを注文するって形じゃなくて、『肉料理が食べたい』とか『アッサリ目の物を』とかって結構な感じで曖昧な注文をして、それをシェフが『お任せ』的な感じで作ってくれるらしい。
『【悲報】またボクだけ仲間外れデス』
いやまぁ、そもそも食事出来んからなぁ。ジャンヌ。




