神というもの
少し、考えが纏まらず、今回はここまでしか書き進められませんでした。
短くて申し訳ない。
仕事熱心と言えば聞こえは良いけど、その、熱心に語ってる主張自体は『邪教徒絶対殺す』って事でしかないんで、成程、エリス達が微妙な顔をする訳だ。
この国では、光教会が最大宗教であり、つまりは最も信仰する者が多い宗教でもある。これ程まで、魔人族国で光教会が勢いを伸ばしたのには、やっぱり、それ相応の理由があるんよね。
それは、元々魔族だった魔人族を邪神の【加護】から解き放ち、“人”へと再生させたのが、他らぬ“光”の神だったからだ。
光の神が、どうやって、邪神から魔人族を救い出したのかについては興味が尽きないが、その辺りの事情を詳しく語っている書物なんかも、まず見かけない。
大概の書物には『光の神が、その御業によって、人へと戻した』って位の事しか書いてないんよね。
ただ、邪神ってのが、ああ言う生き物である以上、それに干渉出来る光の神ってのが、同じ様な存在だろうってぇのが、俺の見解だ。
『【肯定】恐らく、光の神が邪神と同じステージの生き物だと言うのは、間違い無いデス!!』
やっぱり、ジャンヌもそう思うか。つまりは、光の神は、闘神とは違って、この世界の人間ベースの神って訳じゃなく、違う次元の生物だってぇ事な訳だな。
てか、実在する神か。何と言うか、反応に困る存在だよな。
恐らく多分、人間の、個人個人の動向にまで気を払ってるとは思えないが、今この時点ですら、覗こうって思えば、光の神には、多分だが視る事が出来る筈なんだ。
そもそも、邪神も、ソレが出来ている訳なんだから、光の神に出来ない筈が無いんよな。
異次元生物である光の神の嗜好やら主義主張やらなんは、恐らく多分、普通の人間のソレとは、全く違うモノなんだろうけれども、それでも、人間、自身の理解できる範疇でしか、物事を考えることが出来ないんで、『神の御心』にそぐわない行いをすれば、所謂『天罰』みたいな物が降り掛かるんじゃないか? って事をどうしても考えてしまう訳だ。
いや、恐らく、光の神自身は、そんな些細な事なんざ気にも留めてないだろうし、何なら、精神構造そのものが違うってぇ可能性が高いだろうがね。
だから俺なんかは、この司教さんが熱心に語って居る様に、邪教徒を何が何でも滅ぼそうとだとかは、思ってないんじゃねぇかと思う訳だ。
たぶん、ソレが必要な事だったら、自分でやってるだろうし。そもそも、向こうは、自由にこちらに干渉できるんだし。ただ、それ程、この世界の人間に関心も無いから、態々手を出す所までは行かない様だけれども。
まぁ、俺には高次元生物の考えてる様な事は分からんがね。
これこそまさに『神のみぞ知る』ってえこったな。




