コミュニケーション
ちょっと考えがまとまらず、ここまでしか書けませんでした。
申し訳ありません。
23/09/13
加筆修正を行いました。
この加筆による、話のストーリーラインへの変更はありません。
邪神騒動から半月ほどが経った訳だが、まぁ、邪神云々の事を知ってるのは当事者だった俺と、攫われてきてた子供達と崇拝者達だけで……結構いるな。
まぁ、それは兎も角、場所が場所だったこともあって対外的にはそれほど問題には成ってなかった訳だ。
「ほほう? さっすっがっは!! 我が!! ライッバルッ!! トーーーーーーーール!!」
「何が流石なのか分からん上に、テンションが鬱陶しいし、ライバルじゃねぇ!!」
「あのっ! 【邪神】の一っ角っとっ! 相対して、居ながらっ!! 生きて! 帰って来れているっ!!!!」
え? そんなレベルなの? 邪神って。って、危な!! ちょっとでも隙があれば多少強引にでも打って来やがるなっ!! バフォメットはっ!!
俺は顔面に伸びて来たバフォメットのジャブを叩き落すと、お返しとばかりに左掌底を繰り出す、が、それはスウェーバックで逃げられた。
バシバシと拳と腕、掌底と肩、肉体同士がぶつかり合う音が響き、しかし、お互いに決めてに欠け、一旦距離を取る。
う~ん。こうしてバフォメットと組み手をやるのも結構ひさしぶりな気がする……いや、気のせいじゃねぇな。俺も忙しかったし、こいつも何かどっか行ってたし。
俺は書類仕事で鈍った体を解す為に、訓練場に来た訳なんだが、丁度その時、テモ・ハッパーボ姿のバフォメットと遭遇したんよね。
相変わらず、無駄にキラキラしたイケメンっぷりだわ。正体、山羊のくせに。
で、まぁ、お互い、色々と言いたい事とかも、聞きたい事とかも有ったこともあって、こうして、雑談がてら組み手をしてる訳なんだわ。
こうしていると、まるで仲が良いみたいに見えるんだろうが、何っちゅうか、実際間に入って見れば、結構な感じで本気の殺気が飛び交っているのが分かるだろうさ。
本来なら、殺し合いを始めてても可笑しかない間からではあるからな。まぁ、腐っても、バフォメット魔族ですしおすし。
てか、人間形態でも、徒手空拳の時はデトロイトスタイルなんかよ。リーチとか違ってるのに良く混乱せんな。と、今度は的をばらけさせるか!! 流石にこれは、叩き落せんか!! っチィ、バックステップで、クッ、踏み込んで来た!? なら、俺も!!
お互いに踏み込んでのバッティング。半ば仰け反る様に間合いを取る。
「……『一角』って事は、やっぱり複数存在するんだな」
「うん? 説明をしていなかったか?」
明確にはな。ただ、そうだろうとは思ってた。
……間合いは取れたが、逆に懐に入り込めなくなったな。超近距離は俺の間合いだし、警戒されてるわ。当たり前だけんども。
「そもそも、【邪神】ってのは何なんだ?」
明確に、この世界における普通に【“崇められてる”神】とは定義が違うだろう。【加護】なんてものが有ることを考えれば、全くの偶像的存在って訳じゃぁないだろうが、普通の神々の方は、どう考えても過去の偉人の神格化した存在であろう者とかも居るし。
それと比べると、あの、空間の裂け目から視えたアレは異質過ぎだ。
「……こことは理の違う世界の住人だろうな」
『だろうな』て。バフォメットにも明確には分からんのか。自分を【魔族】へと変えた存在だろうに。
「じゃぁ、お前が【魔族】へと至った時、儀式なんぞをやったか?」
「いいやぁ? なぜ吾輩が、そんな事をせねばならん?」
ああ、やっぱりそうか。邪神召喚の魔法陣、アレそのものには、本当に召喚出来る……強制的に顕現させられる何かが有るってぇ訳じゃぁないんだな。
ただの“呼び鈴”に過ぎないってぇ訳だ。
つまりは、アレ等は、その気に成れば、当たり前に此方に干渉も出来うる、と。
まぁ、俺の予想は、だいたい合ってるってぇ事だわな。悪い方向に。
だからと言って、アレの興味を惹かない様に、怯えながら大人しく縮こまってなんざ居るつもりも無いがね。
「ほう? 良いっ! 戦闘意欲に燃えたっ!! 良いっ表情だっ!! 吾っ輩の、好みのっ!! 流っ石はっ! ライバルッ、トーーーーール!!!!」
「うるさいよ」




