業務を遂行する!!
微妙に噛み合ってる様な噛み合ってない様な女子会は、俺の不安なんぞ、どこ吹く風とばかりに穏やかに終わった。いや、約二名だけの話だが。
その、例外たるラミアーは【念動障壁】張り続けてた事で相当疲弊したらしく、何時もなら背中から抱き着いて来るのに、今は俺に正面から抱き付く感じで首筋に齧り付いてる。背後からかどうかで、何か変わるんじゃろか? と言うか、普段の後ろからカプリも、手加減してアレだったのか。まさか、さらに上が有るとは、このトールの目を以てしても見抜けなんだわ!!
……だから、舌先でチロチロするんは止めれ。ゾワッとするんだよ。それ。
この我儘に関しちゃ、イブもラミアーが苦労してた様子を見てたからなのか、少々不機嫌そうだが、見逃している。バラキは、なんか俺とラミアーの間に頭を突っ込もうとしてるが。
第二夫人とバストは、『また、お茶をする時は、ご招待しますね?』『待ってるニャ!!』みたいな挨拶をしてして出て行ったが、いやこれ、また俺の執務室でやる心算なんじゃろか? かと言って、ラミアーがバリアを張る事の出来ない様なタイミングな上、全く別の場所で勝手にやられても困るんだが。
一寸、ジャンヌが戻ってきたら、相談せんとなぁ。
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報告書の中の一枚を見て、俺は思わず溜息を吐く。
何かと言えば、聖王国からの……正確に言えば、聖王国付近の小国群からの難民の受け入れ申請だったからだ。
いや、正直どこもかしこも人員不足なんで、人手が増えるのは、ウェルカムなんだがよ。
「いつまで戦国時代続けるつもりなんだか」
まぁ、それだけそれぞれの国同士の力が拮抗してるって事でもあるんだろうがね。そんなもの、国主同士の野望と欲望に巻き込まれた草民の方は、堪ったもんじゃないだろうさ。
実際、こうやって、焼け出され、家の領にまで逃げ延びて来てる訳だし。
そもそも、聖王国、解決に向けて動き出したんじゃ無かったんかね? 何でまだ、治まってないんじゃろか?
まぁ、俺達としては他国の事なんで、どうして見ようもないんだが。てか、住民が増えるってんなら、本格的に主食になる物を自領で生産出来る様に成らんと、輸入だけで、えらい金額に成るなぁ。
そうなると、農地は必要だし、だとすれば森を開墾せにゃ成らんし、その為には大森林の魔物は駆逐せにゃ成らんのよね。
う~ん、一度、冒険者ギルドの方にも挨拶しに行っとこうかね。
と言うか、開墾して農地を確保したとして、その周囲には魔物の侵入を止める為の柵を作らんといかんのよね。その辺も手配しないと駄目なのか。うん。いつまで経っても仕事量が減らん。かなり本気で、文官が必要だわ。即戦力の。
どっかに落ちて無いもんだろうかね? 優秀な即戦力になる文官。




