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日常を壊すもの

 古代遺跡(ダンジョン)内部はこれから人通りも増えるってぇ事で、家の領地の機密に関わる、あれやこれやの安全確保の為のリフォーム工事で、ジャンヌを取られてるって事もあって、今、俺は大人しく領主の仕事を粛々と進めている。今、古代遺跡に直接アクセス出来るのジャンヌしかいないしなぁ。

 ジャンヌも頑張ってるのに、俺が仕事を溜め込んでる所為で、()()()って時に身軽に動けんかったら、意味ないし。

 余裕のある時に、前倒しで出来るお仕事は、なるべく前倒しでって感じ。

 本当は、まだ残ってる“扉”の調査もしたい所なんだが、前述した通り、ジャンヌを持って行かれてるんで、遠出はできない状態なんよね。何せ、今、俺のメインウェポンは聖槍(かのじょ)なんで。


「トールなら、無手でも行ける行けるぅ!!」

『とーるんは、むてきだぜぇ〜』


 何故おまいらは煽る様な事を言うかね。

 しませんよ? 無謀な事は。自分、慎重派ですしおすし。

 詰まらなさそうな顔してても無駄だからね? 何時もの様にソファーでゴロゴロしてなさい。


「……てか、今日はセフィも居るんだな」


 俺が執務やってる時って、何かどっかに行ってるイメージだったんだが。


『きょうはゔぃゔぃがいないから〜』


 ああ、むしろ何時も居ないのは、ヴィヴィアンに会いたくなかったからなんか。

 今は、俺が【呪詛】の事、調べる様に頼んでて、こっちに来れんからなぁ。


 やっぱり、セフィでも、目をギラギラさせながら躙り寄って来る様な輩は、相手にはしたくないんな。


「お茶、だ、よ?」

「うん、有り難う」


 ファティマがバージョンアップの為不在なんで、今はイブが俺付きのメイドとして身の回りの世話をしてくれている。

 最初に出会ったときはガリガリで、表情も乏しい……のは今もだけど、あの頃よりは随分マシに成ってるし、言葉も話す様に成っているのが、成長を感じられてなんとなく嬉しくなるよな。うん。父親目線に成ってるってのは理解してる。

 だって、中身はアラフィフだもの。


 イブに煎れて貰ったお茶を飲みながら、マッタリと執務を進める。魔物娘達が俺に相手にされなくてブーブー言ってるけど、気にしない方向で。そもそも、ミカとバラキですら、俺の足元で大人しく侍ってるのに、おまいら一寸煩いよ? てか、ラミアーは何時もならもっと大人しくしてるじゃん。どうしたよ。


「う〜ん。なんか落ち着かない」

『むずむずする〜』


 ……何か感じ取ってる? そう思ってミカの方を見るが、彼女は詰まら無さそうに欠伸をしただけだった。

 俺も、周囲の気配に気を巡らせてみるが……特に変わった所は……ん?


「何か、えらく静かじゃねぇか?」


 そう思って再び耳を澄ませてみる。イブは首を傾げているが、やはり周囲が静かすぎる気がするんだが。

 俺以外は、ラミアーとセフィも何と無くな違和感を感じているらしい。ミカとバラキは……これ、興味がないだけだな。

 と、おもむろに執務室のドアがガチャリと開く。は? なんの気配も……いや、酷く薄いだけだ! この俺が、こんな近距離に来るまで気が付かないほどに!!


 バタンッ! と開いたドアに、俺の警戒がマックスになる。


「来ちゃったニャ!」


 バストォ!?

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