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【呪術】とかネクロマンシーとか

「アンデットに回復魔法とかぁ、聞いたことありませんねぇ」

「そうか」


 ヴィヴィアンに前世で良くあった設定の事を話すと、そんな風に言われた。


「回復魔法でアンデットを退治できるならぁ、薬草食べさせとけば倒せるって事に成るじゃ無いですかぁ」


 クスクスと笑いながら、彼女がそう言う。まぁ、魔力と混合され“濁った”魂がアンデットの核と成ってるってんなら、回復した所で、ダメージを負うわきゃ無いからなぁ。ちょっと考えりゃ、当たり前の事だったわ。

 核と成ってる魂が魔力ありきで存続してるってんなら、他の生物から魔力を奪おうとするのも当たり前だし、そりゃ、人だって襲って来るだろう。


 ネクロマンサーってのは、自身の魔力で魂を侵食して、対象を操る。ただ、本来ならこれって不可能な事の筈なんよね。

 魔力ってのは精神の方に係わってるエネルギー、つまり【魂魄】で言えば【魄】の方に該当するはずなんだ。それを【魂】の方に侵食とかするから“濁る”とかって表現されるような事態になるんじゃねぇのかね? まぁ、想像でしかないけど。

 ともあれ、普通なら行えない【魂】に侵食できる様にする“術”が、つまりはネクロマンシーってぇ事なんだろうな。


「で、わたしがぁ、前に調べた【呪詛】なんですけどぉ。これってつまり、【人の魂】に作用する“効能”を抽出する為にぃ、【他の生き物の魂】を()()()()って言う技術みたいなんですよねぇ」

「……【人間の魂】に、直接何がしかの作用を及ぼすのが困難だから、()()()()()()【他の生き物の魂】を触媒にして影響を与えるって認識で良いのか?」

「ですです! なのでぇ、【呪詛】そのものよりも、それを使って何をするのかって事が重要なんですよぉ」


 その、『何をするか』って部分が、今回で言えば『魂を削る』って事なんだろうな。そうなると、魂を削って何をするのかって事なんだが……

 以前は、その削られた部分に死霊を憑依させる事で操ろうとしてるんじゃないかとか考えてたけど。ネクロマンシーや、【呪詛】について改めて聞けば、態々、そんな面倒な手順を踏まなくても、直接、【魔力】で【魂】に影響与えれば良いんじゃね? って気がするな。

 そう思って、ヴィヴィアンにそう聞いた所、『それは無いですよぉ』とかって返された。


「【魂】そのものはぁ肉体って言う殻に守られてるじゃないですかぁ」

「え? そう言うもんなの?」

「ですです!」


 そう言う構造に成ってるってのも初めて聞いたけど、考えてみれば、【魂】が肉体を存続させる為のエネルギーであるなら、守られるってか、内包されてるのも当たり前か。

 つまり、普通なら肉体を損傷させないと【魂】は出て来ないって事なんね。で、【呪詛】ってのは、そんな肉体のガードを無視して【魂】に影響を与えられる手段、と。

 そう言えば、俺の【プラーナ】も、直接的な【魂】のエネルギーみたいな事を聞いてたな。で、この【プラーナ】を触媒にして【魔力】を引き出し、魔法を使うんだったよな?

 で、その触媒として【魔力】へ変換する為には【魔力回路】が必要なんだったか? 俺は【魔力回路】持ってないけど。作ろうとはしたんだ……出来んかったが。


 いや、それは関係ねぇんだよ今回は。ソレの対策の方が重要なんだし。


「てか、ヴィヴィアン。調べたにしても詳しいな」


 【呪術】や【呪詛】に関してだけじゃ無くて【魂】と肉体の関係性だとか、色々と。


「ギ、ギクゥ」


 あ、コイツ、一回試したか、試そうとしやがったな。禁忌の術の筈なんだが? 【呪術】。薬の薬効高めるのに使えないかとか考えて、我慢できんかったんだろうな。ヴィヴィアンだし。


 うん。だからこいつは薬効卿だと言うんだ。

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