狩あぁぁぁってやるぜ!!
カエルってのはとにかく目の前の動くものを飲み込んでから、食い物ではなかったり、危険な生き物だったりしたら吐き出すらしいんだわ。胃袋ごと。
まぁ、何が言いたいかって言うと。
角蛙も、取り敢えずこっちを飲み込もうと襲って来るんよね。そもそも全高3mを超すカエルで、兎に角タフネスが高い奴だからなぁ。
『【本来】冒険者パーティーでも。最低3、4パーティーと言う複数での討伐が推奨されていますので』
斬撃も打撃も効き辛い魔物なんだっけか。それでも食欲を満たせば大人しく帰って行くから、基本は動かずジッとしてるのが最もポピュラーな対処法なんだとか。
ただ、まぁ、今回はその方法は使えんのだよな。討伐数を競い合う為の獲物がコイツ等だって事もあるんだが、何せ大繁殖。食欲旺盛な魔物は多く、近隣の食料となる物が少ないって状態な訳だ。つまりトロル共は、常に飢餓状態で、満足行くまで食べられてないって事なんだからな。
それ故に、ティネッツエちゃんに探知して貰って、その反応が多い場所まで行くだけで、向こうから俺達を襲って来る。つまりは入れ食い状態。
通常3、4パーティー、20~30人単位での討伐をする魔物。成程、魔物と相対する事に慣れてる冒険者ですら、それだけの人数が必要だってんなら、普通の兵士であれば50人からは必要か。例え人間種よりも身体能力が優れる獣人種であっても。主に相性的な問題で。
何せ獣人の人達、魔法は苦手なようだからなぁ。主に殴る蹴るが主体で、武器すらサポート位の扱いだからな。そら、斬撃、打撃に強いトロルとは相性悪いわ。
それも今言ってるのは普通のトロルが相手だった場合の話だ。トロルってのは個体差が激しいって事でも有名な魔物で、同じトロルと言う種にも拘らず1m程度のモノから10mに迫るモノまでと様々で、同一個体だったとしても、その体色から模様からが変わるんだと言う。
今、相手してるトロル達も、体長バラバラ、色も緑ならまだしも、シアンだったりピンクだったり。
そう言えば、前世のカエルも周囲の環境で色とか変わってたよなぁ。
そんな訳で、トロルってぇ魔物は、これだけ多種多様な見た目をしてても、飽くまでトロルってぇ単一種族って事に成ってるらしい。種別で分けるのが困難だからな。何せ、同一個体ですら朝と昼と夜で体色が違ったりする訳だし。
そんな厄介なトロルも、家の家族に掛かればさほど脅威に成りえない。
「ん! 【詠唱破棄】【ファイアランス】」
魔法で焼き尽くされ。
「【念動力】ぅ」
超能力でねじ切られ。
『しぬよぉ、あたしをみたやつはしんじまうよぉ』
地面から生えたツタで縛り潰される。ってか、セフィ、それだと俺達も死んでる事に成るんじゃが!?
まぁ、良いけど。
犬達が囮となり、各個別々に分かれたトロルを家のパーティーメンバーは、次々に屠って行く。
俺の前に、大口を開けたトロルが迫ってきた。
確かに俺の主攻撃は徒手空拳か戦斧なんで、トロルとは相性が悪い。
だがね。
そんなもん、トロルの耐久力以上の攻撃力でダメージを与えてやれば簡単に切る事が出来る訳だ。
こんな風にな!
『【嘆息】それは万人向けではない方法です』
「さよけ」




