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保険を掛ける

 5000人もの兵士の行軍を後ろから眺めつつ、キャンピングカーを操作する。

 俺達のパーティー全員の参加は認められたが、狩りをする場所も日程も軍務卿の方で決めていた物に成ったわ。

 いや、これだけの人数を動かすんだから、即日GO! って訳にゃいかんのは分かるんだがね。


 それに付き合わされる方の身にも成って欲しいもんだ。


 いや、無理のない行程ってのは大事だとは思うし、この大人数が魔物狩れる場所が限定されるってのも分かるんだがよ、その為に半月近くかけて移動とか、これはアレか? こっちの我慢の限界を試してるって事か?


『【嘆息】その可能性も否定はできません』


 いや、自分から振ってて何なんだが、まぁ、それは無いとは思うんだけんどもよ。


「何か、引っ掛かってるぅ?」

「まぁタイミング的な物がなぁ」


 ラミアーの問いかけに俺はそう答える。


「……時間、稼ぎ、の、可能性?」

「ああ」


 イブの言う通り、態々時間のかかる狩場まで移動しなければいけない理由。実際、魔物なんざ割と何処にでも出現するんよね。ちょっと深そうな森だったりとかさ、実際、前に来た時にホブゴブリン狩りをしたときなんざ、王都近くででも入れ食い状態だったじゃん?

 にも拘らず、今回は時間かけて遠くの狩場まで移動するって言うね。


 しかも場所的には軍務卿派閥の貴族の領地だって言う事な訳だ。確実に罠が有るだろうし、むしろ俺なら仕掛けとく。

 勝つ為にあらゆる手段を講じるのは、むしろ悪い事じゃぁ無いとは思うしな。ただね、この、もう一歩でこっちが勝ち確定って状況下での俺が王都から離される理由ってのがなぁ。どう考えても時間稼ぎと分断工作にしか思えんのよね。


 言っちゃぁ何だが、聖女さん(スーリヤ)サイドでの最大攻撃力って、俺な訳じゃん? 護衛騎士も付いては居るけど、彼らの腕前は、正直、優秀だなぁとは思える程度。多分、近衛騎士とでどっこいどっこい位だと思うんよね。


 いや、それでも充分、腕は立つ方なのは確かなんだが、相手が魔族だと不安が残るレベルではある。いや、むしろ俺が要求してるレベルが色々可笑しいってぇ自覚はあるんよ。

 ただ、今回相対してる相手が、暗躍するタイプとは言え、仮にも魔族だからなぁ。どれ程戦闘系ではなくても、一般人に比べれば、比較するのすら烏滸がましいってレベルの強さを持ってるって話だ。実際、会った事のある中でも戦闘タイプじゃないゴモリーにしろベルゼブブにしろ、充分強かったしな。


 もし、黒幕魔族が出てこなかったとしても、オンディーヌだって居るんだし……

 最も、今回のコレに関してはオンディーヌは出てこないだろうと踏んでるんだがね。アイツは漂流言語で不安を煽ったりってのはしそうだけど、直接、暴力を行使するのは好きじゃないっぽい感じがするし。


 まぁ、その為にジャンヌを護衛として置いて来たんだけんどもさ。

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