前例とか有る訳もなく
ここまでで力尽きました。
短くて申し訳ない。
もしかして、サイレンが俺の指をペロペロ舐めてたのは、【プラーナ】を食べてたからか? だとしても、それほどの危険には……そう言や、レゾンデートルだとかライバルだとか言ってたか?
成程、そう言えばこの二人も主食は俺の【プラーナ】か。だとすれば同じ魔物枠だと考えると、あながち杞憂とも言えない所だが……
「そもそも、飼うつもりは無いからな? サイレンを」
俺に対してSOSを飛ばさにゃならんのに、その連絡手段が俺の所に入り浸ってたら意味ないし。緊急連絡用って事だったとしても、恐らく俺の方から連絡入れるってぇ事は無いと思うんよな。聖女さんん所以外は。
俺の話を聞き、二人が納得したような表情を浮かべる。それとは逆にサイレンはキョトンとした感じでこちらをジッと見ているのな。ただ、キョトンとはしながらも、俺の方に首を伸ばして来ている。
もしかして、【プラーナ】に味を占めたんかね? 宰相さんの時は臭い嗅ぐだけだったのに、俺の時は指を咥えるまでしてる訳だし。
ただ、どうも、言葉の意味とかまでは理解してないっぽいわ。当たり前か。サイレンが、人の話してる言葉の意味とか理解してたなら、逆に伝言をさせようとか考えんだろうしな。危険すぎて。
取り敢えずは、【魔力】が無くても……大丈夫、なのか? そう言や、その検証してないじゃんね。
「結局、これって、登録成功してるってえ事で良いの?」
「そ、それが、何分前例が無い事なので」
うーん、そりゃそうか。【プラーナ使い】なんて、ただでさえ珍しいらしいんだから、ソレが正しかどうかなんて、判断出来る訳が無かったわ。
納得したからなのか、ラミアーとセフィが捕まえてたサイレンから手を放すと、サイレンは、何か俺の方に寄ってきてスリスリと頭を擦り付けて来た。
うん? これはあれか? 餌付けしちまったってぇ事なんか? サイレンのその行動を見た二人がまた俺から引き剥がす。
「むぅ!」
『やっぱり、こうなったかぁ』
「え? 俺、捕食されてるん?」
「そうとも言い切れないかも知れないかも知れない」
ややこしい言い回しだな?結局どういう事なんだってばよってばよってばよってばよ。




